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ホーム > 学部・大学院 > RYUKA講座 > 2007年~2008年 > 第33回 福田教授

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更新日:2010年7月7日

RYUKA講座 33.サブプライムローン

2008.11.21 講師:福田 司文(商学部教授・修士【商学】)

一ドル紙幣現在進行中の世界金融危機。その発端は連日メディアで取り上げられ、皆が知っている米国のサブプライムローンである。サブプライムローンとは、住宅ローンのこと。Gennie MacやFreddie Macといった公的な機関(実は、旧住宅金融公庫のように民営化されている)から借りるローンはプライムローンとよばれ、サブプライムよりも借入金利が安い。サブプライムはさまざまな理由でプライムローンが利用できなかった人々が利用した。典型的には、年収が少なくプライムの条件を満たせないような人々。あるいは、購入する住宅価格が高すぎて自分の年収ではプライムの借り入れ条件が不足する人々。将来の住宅価格の値上がりを見込んで、2件目、3件目の住宅を購入する人々など。
金利が高めのサブプライムローンを当初は利用しても、数年間遅延なく返済できれば、安い金利のプライムに借換えできるというもくろみがあって、人々は、当初だけこのローンを利用しようとした。米国は個人の信用力がクレジットスコアーという点数で明確に示され、過去の返済履歴がこの点数にすぐに反映される。堅実に返済を続けこのスコアーが高くなれば、プライムへの変更も容易である。目先の数年さえ乗り切ればという思いで、人々はサブプライムに頼ったのである。

 サブプライムローンに対する評価は、評価すべき点と反省すべき点とが表明されている。評価すべき点は、さまざまなタイプの住宅ローンが開発されたという金融革新もたらした点である。IO(interest only)と言うタイプは、ある期間、金利だけを払えばよい(勿論、元金はその間、全く減らない)というローンである。オプションARMというタイプは、今月は6万円しか返済できないので6万円の返済で済ますという、金利の返済を自由に変更できるローンである。返済のこのように、自由度を高めるローンが開発された。
 反省点としては、収奪的貸付(predatory lending)の横行を十分監視できなかった点である。収奪的というのは、住宅ローン組成や返済時に高額の手数料を課し、過大な利益を得ていると言う意味だ。住宅ローンは、返済が長期に及びかつさまざまな手数料や返済条件が課されているため、複数のローンから選択する機会があってもどれが有利なのかよくわからない。私たちの目が向くのはたいてい月次の返済額です。返済額には分割された元金と金利が含まれている。サブプライムはもっと複雑で、返済額に各種手数料を分割して上乗せするので、ますます分からなくなる。このような比較困難さから消費者を救う目的で、APR(年換算利回り)の開示が求められている。しかし、この利回りも完全なものではなく、実際にはどの手数料をAPRに含めるかは一律でない。



ニューヨークのビル街しかし、基本的には、住宅ローンの商品設計は自由である。ローン会社にとっては、手数料を多く稼ぐことができればそれがローン会社の利益になる。例えば、事務手数料、保証料、保険料、法的手続きの費用などの初期費用が上げられる。当然、一括償還条項もついている。これは、もし、借換等でローン契約を中止するなら、残債は一括して返済する条件である。あるは、多額のprepayment penalty(期限前返済の違約金)の条件もつけられているものも多い。期限間返済の違約金を払わなければならないとしたら、借換えするたびに返済額が膨らんで行き、早晩ローンは破綻する。このような手数料稼ぎのローン会社が横行して、社会問題となっていた。
 もう一点は、住宅ローン会社が元金や金利を回収する権利を他人に売っていた(証券化していた)ことに関わる反省点です。通常、返済困難に陥ると、借り手と貸し手が相談して、返済条件を再検討して新たな返済計画を立てるのが一般的です。ところが、他人に回収する権利を売ってしまえば、ローン会社と借り手は全く関係がなくなるので、交渉の余地はありません。回収する権利を買った他人は、月々の決まった金利を受け取ることができる金融資産として保有しているだけなので、なおさら交渉の余地はありません。ローン条件の変更ができなければ、借り手はローン条件にしたがって破産するしかないのです。この点も問題を深刻化している要因です。


 

講師紹介

福田司文教授

福田 司文(商学部教授・修士【商学】)

専攻分野

  • 企業財務 証券

主な研究分野

  • 企業の現金保有が財務的にどのような意味を持つか
  • J-REITの分析、行動ファイナンス

所属学会

  • 日本財務研究学会
  • 証券経済学会
  • ファイナンス学会   他

主な著書・論文

  • 『新興企業のキャッシュ保有傾向』
  • 『リスク用語小辞典』項目執筆

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