井上 定子 商学部 経営学科
教授

Professor Introduction

世界の会計システムをひも解く

研究テーマ:「会計基準のグローバリゼーションについて」

Q.研究テーマについて教えてください

「会計基準のグローバリゼーションについて」

概要:簿記・会計は、企業の活動を貨幣という視点から記録・集計し、財務諸表を作成・公表することを通じて、社会に貢献する学問です。多くの企業は、国内だけでなく、海外で生産や販売、そして資金を集めるなど、グローバルに活動しています。ですが、言葉や生活様式などが違うように、会計システムは国や地域ごとに異なります。そこで、世界標準の会計基準として、現在、IFRS(国際財務報告会計基準)が作成されています。現在は、120を超える国や地域でIFRSが全面的に適用されていますが、アメリカや日本では選択適用されています。また、全面適用している国や地域においても、オリジナルのIFRSを一部修正するなど、その適用方法は様々です。

今後、世界標準の会計基準としてIFRSが全面的に適用されて、世界の会計システムは均質化してゆくのか、あるいは選択適用や一部修正して適用するなど、そのシステムは多様化していくのか。そして、いずれの場合であっても、それはどのように進むのか、それはなぜなのか、について興味を持って研究をしています。

Q.大学教員としていちばん印象に残っていることはなんですか

学園祭での模擬店出店、2・3・4回生合同ゼミ懇親会、ゼミ旅行など、ゼミ生たちと様々なイベントに参加したり、実施したりしたことは、楽しい思い出です。また、日々のゼミにおける、学生とのやり取りなど日常的で些細な出来事も、印象に残っています。とりわけ、卒業研究演習は、マンツーマンで長時間にわたって指導することもあり、一番印象に残っています。最初は、「無理」、「難しい」、「20,000字も書けない」と言っていた学生たちが、懸命に論文を完成させ、「このゼミに入って良かった」、「大変だったけど、卒論がんばって書いてよかった」という言葉を残して卒業してゆきます。このように、ゼミを通じて成長をしてゆく学生の姿をみることは、とてもうれしく、印象深いものとなっています。

今後も、様々な出来事を通じて、学生と共に私自身も大学教員として少しずつでも成長してゆきたいと思っています。

Q.学生に望むことはなんですか

自身の人生において、少しでも記憶に残る大学生活を送ってほしいと思います。記録に残すことは簡単ですが、記憶に残すには、自ら動き、そして、一生懸命に取り組まないといけません。他人から、無駄であるとか、無茶であるとか言われることであっても、失敗を恐れず、自身を信じて挑戦してほしいと思います。たとえ結果が実らなくとも、挑戦したという経験が大切であり、そしてその経験を通じて何を学ぶのかということがとても大切なのだと思います。

大学は学ぶ場ですが、何を学ぶのかを決めるのは学生です。時間は有限であり、その限られた大学時代を、いかに過ごすのかを決めるのも学生です。少しでも興味や関心があることは、どんなことでも積極的に挑戦して、様々な経験を積んでほしいと思います。ただし、自由には責任が、権利には義務が必ずともなうことを忘れないでほしいと思います。

Q.学生時代、先生の夢は何でしたか。それはかないましたか

高校時代の私の夢は、父の影響もあり、建築士になることでした。ところが、大学時代は経済学を学び、大学院時代は会計学を学び、現在、簿記や会計を教えるという職に就いて、早15年が経とうとしています。

実のところ、大学時代、私は簿記が大嫌いで、まったく勉強していませんでした。ですが、大学卒業後、一般企業に就職した際、簿記・会計の知識が必要となり、働きながら通信教育で簿記検定の資格を取得しました。その後、簿記・会計の魅力にとりつかれ、税理士を目指して勉強しようと大学院進学を決めました。大学院進学後、指導教官(先生)の勧めもあり、簿記や会計の知識を次の世代へと伝えるという大学教員への道が、私の夢となりました。その意味では、現在、私の夢は叶っているのだと思います。

Q.ずっと働き続けたいと考える女性が増えています。働く女子の先輩として、女子学生にメッセージをお送りください。

一般に、女性が働き続ける際に次のような岐路に立つといわれています。つまり、「結婚」や「出産」と、「仕事」を天秤にかけなければならない時が、大学卒業後まもなくやってくるのではないかと思います。この天秤のバランスをどのようにとるのかは、自身で決めるしかありません。そこで大事なことは、自身の選択に対する「覚悟」であると思います。

私は、社会で働くことも、家庭内で働くことも同じく労働であると考えています。つまり、家事や育児も労働の1つであるということです。どのような選択をしたとしても、男性と同様に、女性は働き続けることになるのです。

「隣の芝は青い」という言葉がありますが、どのような選択をしようとも、多くの壁にぶつかりますし、悩みはつきません。結局は、自分で納得して選んだ「道」をまい進するしかないのだと思います。
月並みですが、周りに流されず、自分らしく、がんばってください。

About a Professor

座右の銘

「起こるべきことは必ず起こる。」
現在、起こっている出来事は、必ず過去の自身の行いにその原因がある。つまり、現在の失敗(成功)は、過去の怠慢(努力)の結果であるという意味です。なお、この言葉には「ケ・セラ・セラ」という運命論的な解釈もあるようです。

お気に入りの場所

美術館など、広くてゆっくり時間が流れている空間が好きです。

「最後の晩餐」に食べたいもの

だし巻き卵、御御御付、そしてご飯です。