2021大学院案内
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 私はベトナムのハノイ国家大学の日本語学科を卒業しました。大学では4年間、日本文化を勉強し、さらにマーケティングを学びたいと思い留学を決めました。流通科学大学は、日本語学校の校長に教えていただいて知りました。自分でも調べたところ「流通を勉強するなら流通科学大学」という確信を得ました。実際、流通・マーケティングの分野で著名な先生が多く、その先生方から直接学ぶことができ、進学して本当によかったと思っています。 修士課程の後、さらに研究して専門性を高めようと博士後期課程に進みました。私の研究テーマは「発展途上国の海外進出戦略」です。大学院では各人に研究室が与えられるので、私はほぼ毎日、朝8時頃から夕方5時頃まで研究室か図書館で研究していました。そして春休み・夏休みを利用して、東南アジアのカンボジアやタイ、フィリピン等に行き、現地の企業などを調査しました。研究と調査、どちらも集中して取り組める環境でした。 神戸は日本で一番好きな街です。便利でおしゃれな街で、東京や大阪ほどの人混みもなく、落ち着いて過ごせます。秋の紅葉、冬に数回降る雪も素敵でした。6年半の滞在中、自然災害や事件にあうこともなく安心して暮らすことができました。留学中、会話はもちろん、読み書きも上達しました。挨拶やほうれんそう(報告・連絡・相談)と言われるルール、表情や言葉遣いから気持ちを判断することなど、日本の慣習が身につき、今では自然に振る舞えるようになりました。 2020年3月に博士号を取得して卒業し、8月からベトナムの日越大学の日本学学部(ジャパニーズスタディ)で「経営・経済」の担当教員として働いています。指導者としては、理論と事例がつながり「面白いな」と思える授業、学生が事前に資料を調べてきて能動的に取り組めるディスカッション型の授業など、流通科学大学大学院での授業を思い出しながら取り組んでいます。研究者としては、「自分の知識を常に追加していくこと」や「正直であること」を大切にしながら、国際経営からグリーンマネジメントに研究テーマを拡大し、研究を続けています。流通科学大学大学院で、知識の豊かさとともに、人格や生き方が素晴らしい先生と出会えたことが、今の道につながっています。今後は、日本で学んだことを、学生たちにしっかり伝えていきたいと思います。※内容は、2020年度取材時のものです。2.大学院での学び131.進学を決めた理由2020年3月博士後期課程修了現在:日越大学教員(ベトナム)3.神戸での暮らし4.就職と今ズォン ティ トゥイさん「流通科学研究科で私が得たもの」大学院修了生インタビュー授業や研究の方法を生かし指導者・研究者の道へ。日本で身につけた知識や慣習、

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