大学では経営学科でしたので、流通やマーケティングに興味があり、専門的に学びたいと考えていました。流通科学大学を知ったのは日本に来てからです。調べてみて、先生の層の厚さに驚きました。各分野に優れた先生がおられるので、流通論、国際流通論、製品開発論、流通チャネル論、広告論などマーケティング論の各分野、また関連分野として消費者行動論、研究方法論など、テーマを細分化して学ぶことができます。私は「研究者として大学で教える」という将来の目標を持っていましたので、ここならそれが実現できると考えました。 大学院は研究をするところなので、多くの論文を読みます。大学附属図書館には専門書が豊富にそろっており、大学院の研究室から電子ジャーナルに接続ができるため、文献資料の収集はほぼ学内でできました。それから、修士課程では毎年10万円、博士後期課程では毎年20万円の研究費助成があります。私は博士課程では「サービスの国際化」をテーマとし、公文教育研究会、ヤマハ音楽教室など、海外で事業を展開する日本の教育サービス企業を研究しました。中国・香港・シンガポールなどでの現地調査の際、交通費等の費用の心配をせずに研究できたのでとても助かりました。 大学院の学びの中で、特に印象に残っているのは「個別ゼミ」と「合同ゼミ」が毎週交互にあったことです。個別ゼミでは、研究の進め方から始まり、研究の姿勢、既存研究の批判的検討などまで研究者としての初歩から教えていただいたり、調査や研究会に同行してフィールドワークの楽しさを教えていただいたりしました。指導教員への報告に対して「勉強はたくさんしてきたけど、研究はまったくしていない」という言葉が今も記憶に残っています。大学院生は、1人の研究者であり、専門分野の勉強だけでなく、研究手法なども学ぶ必要があるという事に気付かされた言葉でした。個別ゼミでの成果を発表する合同ゼミは、専門分野が異なる先生方に多様な視点からのアドバイスをいただけるので、本当に「贅沢な時間」だと感じました。今は香川大学で教えていますが、大学院で教わったことを、今の指導でも取り入れています。 5年ほど前に、大学院時代の指導教授の紹介で、研究者として1年間、イギリスへ赴任する機会をいただき、様々なセミナーや国際学会等に参加しました。そこで改めて、大学院時代に身につけた専門知識や研究方法などが、世界と比較しても非常に高いレベルであったと確信を持つことができました。進学を考えておられる方には、「流通科学大学大学院では世界基準で学べます」と、自信を持ってお伝えしたいです。※内容は、2020年度取材時のものです。2.大学院での学び111.進学を決めた理由2010年3月博士後期課程修了現在:香川大学経済学部(経営システム学科)准教授(韓国)3.個別ゼミと合同ゼミ4.世界で通用する研究大学院修了生インタビュー趙 命来さん専門分野を多角的に学べ、サポートも充実。世界に通用する、レベルの高い研究ができます。
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