Active Learning Front Line -総合政策学部 上田真由美ゼミ

Active Learning Front Line -総合政策学部 上田真由美ゼミ

公開日:2015年12月16日

2013年度、神戸市交通局と連携して実施した「市バスで行ける魅力のスポットプロジェクト」。10のゼミから32チームがエントリーし、神戸市バスの利用促進と市民福祉の向上、及び地域の活性化を目的とする提案を行いました。
結果は決勝進出の6チーム中、総合政策学部・上田真由美准教授のゼミから優勝・準優勝を含む5チームが入賞。
準優勝の企画が2014年11月、イベント「市バス一本で行く舞子・垂水の街」として実施されました。

やればできるという成功体験の機会に 上田真由美准教授

やりきったと思える徹底した取り組みを

上田真由美准教授

流通科学大学に着任して2年目となる2013年度、初めてアクティブラーニングに取り組んだのが、神戸市交通局と連携した「魅力のスポットプロジェクト」。1年生から3年生まで、ゼミ生全員で取り組み、学生と試行錯誤を繰り返しながら進めました。

企画を進める上で重視したのは、途中で妥協せず最後まで「やり抜くこと」と、実際に「モノをつくること」です。ゼミの特徴を活かし、グループごとに情報技術を活用したさまざまなアイデアを出しました。

また、あきらめず最後までやり抜けば「できる!」ということを体験してもらいたいと考えました。一度、成功体験があれば、今後、少し難しいことに直面したときも、あきらめずに最後までがんばれると考えているからです。
企画を進める際に、自分の意見が採用されたり、プレゼンテーションが思い通りに運んだりして褒められる、「=(イコール)自分を認めてもらう」ことで、学生は自信を深め、驚くほど変わります。最初はおとなしかった学生からも、よりよくするためのアイデアやアドバイスがどんどん出てくるようになります。

妥協せずに最後までやり抜くことを目指したため、プレゼン資料の修正や発表練習も徹底して行いました。他のグループの発表を聞いてコメントを出し合い、改善していったため、時間もかかりましたが、学生も「これだけやったんだから!」と自信を持って最終プレゼンに臨めたと思います。

一度経験した学生はさらに自主的に

2014年6月に神戸市交通局長に対してのプレゼンテーションを行い、その後「市バス一本で行く舞子・垂水の街」の提案をイベントとして実施することが決まりました。
バリアフリー化が進み、車椅子やベビーカーの人も安心して利用できる、ということを主張した提案であったため、イベント実施に向けて訪問先のバリアフリー状況を再調査し、地図を作成しました。この地図はパソコンやスマートフォンでアクセスすると、おすすめスポットと福祉情報を確認することができるようになっています。

イベント当日は、天気が悪く心配だったのですが、多くの方に参加していただけました。
情報分野の研究は、システムを作って自分たちで使ってみて完結することが多いのですが、本学のアクティブラーニング企画では、作った後に実際に一般の人に使ってもらい、自分たちの作ったものに対する生の声を聞く機会があります。これは、「がんばってよかった!」という達成感を得るだけでなく、次への課題発見へとつながり、学生だけでなく私にとっても貴重な機会となっています。

2014年度は「新長田三国志企画(新長田まちづくり株式会社、NPO法人KOBE鉄人PROJECT、株式会社神戸ながたTMOと連携)」や「阪神タイガース連携 学生が提案するファン拡大策」「学園都市大学ゼミ対抗企画 JR西日本杯」など、多くの企画に参加しています。

市バスの企画で「あきらめずにやり抜くこと」を経験した学生は、自主的に企画を進め、前回の経験を活かした企画書やプレゼン資料の案を作ってきてくれます。今では学生同士で積極的に意見を出し合うようになり、私は全体を見守り、困っているときにキーワードを投げる程度でよくなったことから、学生の大きな成長を感じています。

学生インタビュー 私たちのアクティブラーニング体験

総合政策学部3年生  井上 奈津美さん・福井 雄大さん

(学年はインタビュー当時)

― お二人が参加したプロジェクトについて教えてください。

ツアー当日 上田ゼミの皆さん(2014/11/29)

ツアー当日 上田ゼミの皆さん(2014/11/29)

井上さん

2年の後期、上田ゼミの授業が始まってすぐに「市バスで行く魅力のスポットプロジェクト」に参加しました。

私たちのチームの企画「市バス一本で行く 舞子・垂水の街」は、学園都市に住んでいて通勤・通学でバスを利用している方々が、休日にバスで出かけることができるようにということで提案したものです。

エリアを舞子・垂水としたのは、チーム内にもともと舞子周辺に土地勘のあるメンバーがいて、実際にメンバーで舞子から垂水周辺を歩いてみると、企画のもうひとつのテーマであった「福祉」という観点を考慮したスポットがたくさんあったことが決め手になりました。

最終プレゼンテーション会では、神戸市交通局の方を前にプレゼンテーションをしましたが、事前に上田先生と一緒に徹底的に原稿をチェックして、繰り返し練習して臨みました。
その成果か、制限時間ぴったりでプレゼンを終了することができ、内容とともに審査員の方に良い評価をいただきました。

新長田三国志企画 最終審査会(2014/08/20)

新長田三国志企画 最終審査会(2014/08/20)

福井さん

僕のチームは市バスプロジェクトでは優勝・準優勝は逃したのですが、間をおかずに参加した「新長田三国志企画」で優勝することができました。

三国志企画は新長田のまちの活性化に貢献するための企画やキャラクターを考えるというもので、僕たちのチーム「敵将討ち取ったり!」が提案したのは、三国志クイズに解答しながら新長田を歩き回ってもらう陣取りクイズラリーというものです。インターネット上のマップとQRコードを組み合わせたもので、QRコードを読み取ってクイズに解答、正解できれば「拠点制圧」となりマップに示される次の地点に進んでいく、というITを取り入れたものにしました。

クイズを設置するスポットは古くからある商店街など、あえて普段の人通りが少ない場所にも設定し、新長田の新発見をしてもらえるように考慮しました。

最終審査会ではプレゼンテーションを担当しましたが、たくさんの社会人の方の前で話すのは初めてだったので、緊張しました。

― いずれの企画も事業化されました。印象に残っていることは?

観光スポットの情報をタブレットで確認する

観光スポットの情報をタブレットで確認する

井上さん

6月の「神戸市交通局長プレゼンテーション」でプロジェクトは終了し、その時に事業化のお話をお聞きしました。その後ルートの変更やポイントの追加など、交通局の方で調整をされて、11月29日の当日を迎えました。

2部に分かれて実施されたツアー(参加者約60名)は、参加者の年齢層が高く、ゆっくり時間をかけて歩きました。参加された方にねぎらいの言葉をいただき、その笑顔を見ていると「あぁ、よかったな」と思いました。

三国志祭当日 クイズラリースタート地点(10/12)

三国志祭当日 クイズラリースタート地点(10/12)

福井さん

10月12日・13日の「神戸・新長田三国志祭」のイベントのひとつ(※ラリー実施は12日のみ)として実現した陣取りクイズラリーは参加者が137人、完走して記念品を受け取られた方が50名強でした。記念品も僕たちが作成した「三国志」イメージのキャラクターステッカーです。

事前にお知らせがあまりできていなかったのですが、若いカップルからお年寄りまで、たくさんの方に参加していただけて嬉しかったです。

― ゼミ内でどのように企画を作り上げていくのでしょうか

スタンプラリー企画中 ある日のホワイトボード

スタンプラリー企画中 ある日のホワイトボード

福井さん

企画に対してはゼミ内で意見を交換します。企画段階では厳しい意見をもらうほうがためになります。

井上さん

「そんな企画おもしろくない」とか、シビアな意見も容赦なく出ますが、より良い企画にするためにはそれもすべてプラスになると思っています。その中で最初は積極的に発言しなかった人も、どんどん自分の意見を言うようになり、みんな変わったなと実感しています。

― 今後、あるいは現在のゼミ活動の状況をお聞かせください。

福井さん

阪神タイガース連携企画(最終報告会12月24日)、学園都市ゼミ対抗企画「JR西日本杯」(最終審査会は2015年1月10日)に参加しています。
並行してすすめているので大変ですが、とても学生生活が充実していると感じています。

井上さん

私もその2つに参加しています。市バスのときは自分がプレゼンを担当したので、次は私以外の人に任せてサポート、その次はまた私がプレゼンを担当する予定です。
次の自分のプレゼンは「印象に残る」ということを目標にして、発表の内容と質を上げていきたいです。

― プロジェクトをいろいろと経験して、何か自分について変化のようなものは感じますか。

井上さん(左)、福井さん(上田先生の研究室で)

井上さん(左)、福井さん(上田先生の研究室で)

井上さん

私はもともと人前で話すことが得意ではなく、話したいともあまり思っていませんでした。でも市バスプロジェクトを経験して、人前で話すことは苦でなくなり、きっちり事前準備さえすればどこでも、誰の前でも話せる、という自信がつきました。

福井さん

上田ゼミでいろいろなプロジェクトを経験して、物事を煮詰め、甘さを改善していくことの大切さについて考えるようになりました。
今まで意識していなかったこと、気づかなかったことに気づくようになったというか…
スケジュール管理にしても「なんとかなるだろう」と思っていましたが、「なんともならないから、やるしかない」と考えるようになりました。
入学したときは何の目標もなくぼんやりしていて、それからはバイトに熱中していた自分には、本当に大きな変化です。

― もうすぐ就活が始まりますが、目標は決まっていますか

井上さん

私は高校生のときからシステムエンジニア(SE)になりたいと思っていました。大変だけどやりがいのある仕事、と本で読んだことがきっかけで、今でも目指しています。
だから総合政策学部の情報コミュニケーションコースを選択し、今は来年春の「基本情報処理技術者試験」を目指して勉強しています。

福井さん

三国志企画のときも市バスプロジェクトのときも、参加者の方の笑顔を見ていると達成感を感じ、自分も嬉しい気持ちになりました。その経験から営業職を目指しています。顧客に何かを提供して笑顔になってもらいたいと思います。

営業職といってもいろいろありますが、今勉強しているIT関連の企業での就職を考えています。なにかプラスになるものをと、とりあえず「Microsoft Office Specialist」はひと通り取得し、今は「ITパスポート」と「Web解析士」の資格取得を検討しています。

入学時に目標を持つことができなかった福井さんと、はっきりと目標を定めて入学した井上さん。
対照的なお二人ですが、共にいろいろなプロジェクトの体験を通して、自分を見つめなおし、変化してきました。

できなかったことができるように、考えられなかったことが考えられるように。
大学時代に大きく成長し、自分でもはっきりとそれを自覚できているお二人は、とても充実した表情で輝いて見えました。

自分で行動することから生まれる気づき、そして成長。
流科大のアクティブラーニングはたくさんのその瞬間をあなたに提供することでしょう。

あなたも流通科学大学で輝いてみませんか?

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