“プロに学ぶ”特別講義「プロデュース論」 2019年5月23日

“プロに学ぶ”特別講義「プロデュース論」 2019年5月23日

公開日:2019年6月3日

誰もが知っている広告がたくさん! それだけのアイディアはどうやって生まれるの?

本学で人気の特別講義「プロデュース論」は、各メディアの最前線で活躍されているプロフェッショナルの方々にご登壇いただき、さまざまな視点から「プロデュース」について講義していただきます。 今回は、さまざまな広告を手掛ける広告クリエーター。世界最大級の広告賞「カンヌライオンズ」での受賞歴もある株式会社電通 中尾孝年氏に語っていただきました。

相手の想いを伝えるのが広告クリエーター  「広告」で「世の中」を動かす?

ああ

映像・音楽・ゲームなど、クリエーターといわれる職業はさまざまで、内容もバラエティーに富んでいます。 一般的なクリエーターは「自分の想いを自分のやりたい手法で表現する」が、広告クリエーターは「相手の想いをその人の代わりに表現する」特殊な仕事であり、広告代理店は「広告という手法を使って、世の中や人々を動かす」と中尾氏。

広告で世の中を動かすと言われてもピンと来ない人も多いと思いますが、実は皆さんも動いています! 「広告を見に行く、見に来る」「広告のことを話す」「イベントに参加する、プレゼントに応募する」「広告のマネをする」などに加え、近年ではインターネットで「調べる」「シェアする」「意見を述べる」など、すべて発信された広告によって人々の行動が生まれています。 人によって起こす行動は異なりますが、いかにたくさんの人に行動を起こさせるかがポイントで、それが積み重なることで大きな現象となり、世の中が動くと語りました。

数々の話題を生み出したヒットメーカーの「成功」と「失敗」

今までさまざまな仕掛けを行い、世の中を動かしてきた中尾氏。 行政機関の求人ポスターでは、堅いイメージを払拭するインパクトのある内容で2年連続でコンペティションに通過。さらに大手菓子メーカーの商品CMでは、CM限定アイドルをプロデュースしメディアやネット検索で話題となりました。 しかし前述のポスターのコンペティションで3年目に最下位となり挫折を味わい、中尾氏は「調子に乗っていた」と当時のデザインとともに振り返りました。 このことを猛省し原点に立ち戻り「おもしろカッコイイ」を目指したところ、翌年見事コンペを通過。店頭ポスターや電車広告、CMなど活躍の場が広がりました。

講義では実際のデザインやCM動画を表示しながら、制作秘話やデザインのポイント、なぜ成功・失敗したのか?などを解説、盛りだくさんな内容となりました。

学生に一番伝えたいコト   ~全てはみなさんの「努力」と「情熱」次第~

講義の最後に「おもしろカッコイイ」を追い求め、いろいろな経験をしたからこそ伝えられる“中尾氏らしい”メッセージが送られました。 クリエーティブな仕事をするのは本当におもしろい。なぜなら自分の努力と行動力で何にでも挑戦できるから。 しかし、当たり前だが「楽しい仕事はラクではない」。厳しくて苦しいことも多いが、その苦しさは「苦手なピーマンを食べる苦しさじゃなくて、大好きなラーメンを何杯も食べる苦しさ」に似ているかな?と中尾氏。

無限の可能性と選択肢が広がっている皆さんが素晴らしい未来を手に入れるには「全て努力と情熱次第」と締めくくりました。

講師プロフィール:中尾 孝年(なかお たかとし)氏

(株)電通/クリエーティブ・ディレクター 学生時代はアメリカンフットボールに没頭。1997年株式会社電通に入社。 TVCM、ポスターだけではなく、アイドルプロデュースや作詞など幅広く活躍する広告クリエーター。 佐治敬三賞、ACC賞、カンヌ、スパイクス(アジア地域を代表する広告賞)など国内外で多数の受賞歴あり。 著書『その企画、もっと面白くできますよ。』 (宣伝会議  2017年)

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