日本での就職に向け参加を推奨している“インターンシップ”の『準備講座』を開講
公開日:2025年10月6日
20の国と地域から多くの留学生が学んでいる本学。日本での就職を希望する留学生に、さまざまなプログラムやイベントを用意し、日本企業への就職をバックアップしています。
「日本で就職する留学生には全員参加してほしいイベント」と位置づけているインターンシップ。参加を推奨するとともに、昨年度から学部3年生・修士1年生を対象に『インターンシップ準備講座』を開講し、事前準備をサポートしています。
昨年度は単発で開講した講座を、今年度は4月23日(水)~6月11日(水)まで全7回(最終回は事後報告会)に分けて実施。留学生たちは、インターンシップを体系立てて学んでいきます。
- 第1回 基礎講座
- 第2回 企業・業界研究①
- 第3回 企業・業界研究②
- 第4回 ガクチカ作成
- 第5回 自己PR作成
- 第6回 ビジネスマナー【New】
- 第7回 インターンシップ事後報告会【New】
もくじ
第1回 基礎講座
まずは、インターンシップについて“知る”ことが大事。初回は、留学生支援部の職員から、インターンシップの基礎について学びました。
「インターンシップとは何か」「何のために参加するのか」といった基礎的なことについて説明。続いて、情報検索やエントリーができる3つのサイト(大学コンソーシアムひょうご神戸、大阪外国人雇用サービスセンター、兵庫インターンシップ&キャリアシステム)について紹介しました。
アウトプットの個人ワークでは、学生が興味を持っている業界・企業を検討し、夏休みまでの目標と行動スケジュールを作成。周囲の学生とも相談しながら、賑やかな雰囲気で進行しました。
また、先輩の就職状況も紹介。希望の企業に就職した先輩学生は、インターンシップ参加を通じて日本企業への理解、社会人として必要なビジネスマナーを学んだことを知り、参加学生たちは改めてその重要性を感じたようです。
第2回 業界・企業研究①
第2回は、留学生の就職支援などを行っているユニ・ダイバース合同会社代表の香川愁吾氏を講師に迎え、『業界・企業研究』をテーマに学びました。
まず冒頭で、業界・企業研究をする目的やインターンシップとの関連性について説明。目的のひとつに『志望動機の作成』を挙げ、面接でよく聞かれる質問や就職活動の流れとともに、志望動機の書き方のポイントと例文を紹介しました。
続いて、業界・業種について具体的に解説。それを踏まえて、自分がどういった業界で、どんな仕事がしたいのか、留学生たちはワークシートに書き込んでいきました。また、日本での留学生の就職者数が大幅に増加していること、その3つの理由についても説明。各理由ごとに外国人留学生の就職先について説明する香川氏の話に、留学生たちは真剣に耳を傾けていました。
参加した留学生からは「今までどんな業界があるか分からなかったが、この講座でよく理解できた」「興味のある業界以外にも知ることができて視野が広がった」などの声がありました。
次回は、留学生採用企業や大学コンソーシアムひょうご神戸のインターンシップ参加企業を例に、引き続き企業研究について学びながら、準備を進めていきます。
第3回 業界・企業研究②
前回に続き、香川氏を講師に『業界・企業研究』をテーマに学んだ第3回。今回は、実際に留学生を採用している企業を例に、企業研究のワークを行いました。
この日は、インターンシップに備えて企業研究が必要な理由、企業研究の方法や進め方について説明した香川氏。その方法のひとつ、『WEBサイトで調べる』を、実際に留学生を多く採用している企業を例に、ワークシートを使って実践しました。就職情報サイトや企業のホームページでどこをポイントに見ていくか。香川氏からアドバイスを受けながら、留学生たちは必要な情報をワークシートに書き込んでいきました。
続いて、自分が気になる企業を1社ピックアップ。同じように、就職情報サイトと企業ホームページから調べた内容をワークシートに記入するなど、企業研究の進め方を実践を通して学びました。
第4回『ガクチカ作成』で自分の経験を言葉に
留学生向け就職対策プログラムもいよいよ実践編へ。
第4回のテーマは、就職活動の定番である『ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)』の作成です。今回は、留学生支援部の職員の指導のもと、ワーク形式で取り組みました。
「ガクチカ」とは?から丁寧に解説
まずは、「ガクチカとは何か?」「どんなことを書けばよいのか?」といった基本からスタート。
過去の実例を交えながら、「良いガクチカ」を書くためのポイントや注意点について学びました。さらに、相手に伝わる文章にするためのテクニックも紹介。学生たちはメモを取りながら真剣な表情で聞き入っていました。
実践ワーク|自分の経験を見つめ直す
後半は、いざ実践へ。用意されたワークシートに、自分の経験やエピソードを書き出しながらガクチカの作成に挑戦。
悩んだときには留学生支援部の職員に相談しながら、一人ひとりが自分の言葉で「頑張ったこと」を表現しようと奮闘する姿が印象的でした。
自分の強みを言葉にする。第5回『自己PR作成』に挑戦!
前回の『ガクチカ』に続き、第5回は『自己PR作成』。
“自分らしさ”をどう表現するかは、日本人学生にとっても難しいテーマ。留学生にとっては、なおさら挑戦となる内容です。
ガクチカとの違いを理解し、まずは棚卸しから
最初に、ガクチカと自己PRの違いについて、留学生支援部の職員から解説。
そのうえで、自分の性格・長所・価値観などをできるだけ多く書き出すワークに取り組みました。
過去を振り返り、強みを探る
さらに、モチベーショングラフを作成しながら、過去の経験や感情を可視化。
「自分はどんなときに頑張れたか」「何に喜びを感じたか」といった気づきを得ながら、自己理解を深めるワークを進めました。
自己PRの“核”となるエピソードへ
最後は、自分の強みのなかから「これを伝えたい」と思える要素を1つ選び、それを裏付けるエピソードを文章化。書いては消し、また書いて…と悩みながら、友人同士で相談したり、職員にアドバイスを求めたり。
それぞれが真剣に「自分を伝える言葉」と向き合う時間となりました。
次回|ビジネスマナーを学ぶ!
次回は『マナー講座』を予定。
インターンシップの選考がいよいよ近づくなかで、就職活動に欠かせない基本的なビジネスマナーについて学んでいきます。
自信を持ってスタートダッシュを切れるよう、しっかり準備を進めていきます。
本学では、日本での就職を希望する留学生が、夢や目標を実現していけるよう、さまざまな観点からきめ細やかなサポートを行っています。
第6回 ビジネスマナー

4月からはじまったこのプログラム。“準備”のための講座としては最終回となる第6回は、外部講師を迎え、就活における『ビジネスマナー』に取り組みました。
まずは、3つの基本から
講師の方は、就活において『ビジネスマナー』が必要な理由について説明した後、ビジネスマナーの3つの基本を紹介。
就活においては、これらをしっかり押さえておくように、とアドバイスしました。
“挨拶・お辞儀”は、笑顔と笑声で5カウント
ひとつ目は、 “挨拶・お辞儀”。
日本では、挨拶とお辞儀を一緒に行います。ただ、「就活では、挨拶を先にしてからお辞儀をするように」と説明が。
また、「お辞儀は、一連の流れを5カウントで」とアドバイスを受け、早速、実践へ。


講師の方の指導のもと、まず座ったままで、お腹から声を出し挨拶。その後、口角を上げて笑顔を作る練習をしました。
続くお辞儀の練習では、体の倒し方や頭の位置などを細かく注意される場面も。それでも、みな楽しそうに何度も繰り返し取り組んでいました。
最後は、2人1組となり、挨拶・お辞儀の流れを確認し合った留学生たち。笑顔を作ることも忘れていませんでした。
“身だしなみ”で気をつけたいこと
ふたつ目は、“身だしなみ”。
日本の就職活動では着用必須の「リクルートスーツ」について、講師の方に着こなしをチェックいただきながら、細かく説明を受けました。参加学生からは、髪色や髪形に関する質問が上がり、お互いの服装をチェックし合う学生もいました。
自身の見た目が相手にどんな印象を与えるのか、深く理解することができました。

“ビジネスメール”の基本型を学ぶ
3つ目は、“ビジネスメール”について。
『早い(24時間以内)』『丁寧』『わかりやすい』がポイントであるとしたうえで、「基本の“型”を覚えれば大丈夫」と話した講師の方。その“型”となるメールの構成について学びました。
留学生たちは、大学からセミナー案内のメールが届いたと仮定して、ワークに挑戦。
今学んだばかりの“型”を元に、返信メールの作成に取り組みました。

学びを生かして、夏のインターンシップへ
インターンシップへ向けた“準備”は、ここで終了。
この講座を通して学んだことを、夏のインターンシップで実践していきます。
9月には、本講座最後となる第7回を実施。
夏のインターンシップ参加を経て、それぞれが感じた気づきや成長について発表する予定です。
第7回 インターンシップ事後報告会

4月から始まった6回の事前講座を経て、8月にインターンシップに臨んだ留学生たちが、その経験を振り返る報告会を実施。一人ひとり、成果や課題を発表、学びを共有しました。
実践で得た成長と気づき
報告会には、夏のインターンシップに参加した3年生29名が登壇。二つの教室に分かれて、一人ずつ順番に発表を行いました。
発表では、インターンシップに参加した目的、企業名、業務内容やスケジュールに加え、体験を通して得た学びやできるようになったこと、反省点、今後の目標などを話しました。
職場見学、社員の方へのインタビュー、企画提案・プレゼンテーションなど、取り組んだ内容はさまざま。学んだこととして特に多く挙がったのが「日本語力」「コミュニケーション力」「チームワーク」の大切さでした。
やりがいを感じる一方で、仕事の厳しさや自分の課題にも向き合う貴重な経験となったようです。


先輩たちの体験談が後輩のヒントに
会場には、1・2年生も聴衆として参加。先輩たちの体験談に聞き入り、メモを取っていました。実際のインターンシップの様子を知ることで、自身のキャリアや将来の就職活動を具体的にイメージする良い機会となりました。
それぞれの成長を感じた報告会
一人ひとり、異なる業種・業務に挑戦し、各自の視点で学びを得た留学生たち。発表から、それぞれ手ごたえを感じ、これからの課題や目標に前向きに取り組もうという意気込みが伝わる報告会となりました。
このインターンシップで得た気づきや学びを整理し、アウトプットした留学生たちは、今回の経験を、今後の就職活動へとつなげていきます。