演劇で気づく、自分の振る舞いと相手との向き合い方。「公務員特別演習Ⅲ」で実践的に学ぶ
公開日:2026年10月19日
公務員を目指す学生たちが受講する「公務員試験対策プログラム」。
その一環である「公務員特別演習Ⅲ」で、演劇の手法を取り入れた全4回のワークショップを実施しました。グループディスカッションや集団面接など、公務員試験で求められるコミュニケーション力や協調性を養うことが目的です。
10月2日(金)に行われた最終回では、緊張を和らげ、互いに心を開いてコミュニケーションを取ることをテーマに、学生たちがさまざまなワークに取り組みました。
無意識のしぐさが、相手に与える印象を知る
1つ目のワークは、最初に思い浮かんだ言葉だけで質問に答えるゲームです。
例えば、最初に「マンホール」という言葉が浮かんだら、「今日何を食べた?」「明日の予定は?」といった質問にも、すべて「マンホール」と答えなければなりません。学生たちは2チームに分かれ、相手の回答に笑ってしまったら脱落というルールで対戦。質問と答えがかみ合わないやり取りに、会場は笑いに包まれました。
ゲームの途中、講師から「腕を組んだり、体の一部に触れながら立ったりするのは、自分の存在を確認しようとする人間の癖の一つ」だという解説が。一方で、こうした姿勢は、相手に威圧感を与える場合もあります。自分では意識していない何気ない動作も、相手にはさまざまな印象を与えることを学びました。
続いて、同じゲームを座った状態で実施。相手に体を向け、少し前傾姿勢を取って話すことで、質問や会話がしやすい雰囲気が生まれました。
参加した学生からは、「座ったことで距離が近くなり、リラックスして質問できた気がする」といった声も。姿勢や体の向きといった言葉以外の要素も、コミュニケーションに影響することを体感する機会となりました。
相手の話を聞き、立場に立って考える
2つ目のワークは、「スーパーマン」と「相談者」に分かれて行うロールプレイングです。
スーパーマン役の学生は、それぞれが持つ特別な能力を設定。一方、相談者役の学生は、「坂が多くて通学が大変」「アルバイトの時間を確保できない」など、身近な悩みや困りごとを考えます。
相談者が悩みを伝えると、スーパーマン役の学生は「その問題なら私の能力が役立ちます」と、自分の能力を生かした解決策を提案。相談者が納得できる提案ができれば成功です。
このワークで求められるのは、自分の考えを一方的に伝えることではありません。相手の話をよく聞き、その立場や気持ちを理解したうえで、解決策を考えること。学生たちは楽しみながら、困っている人にどう寄り添えばよいのかを考えました。
体験を通して、人と向き合う力を磨く
全4回のワークショップを終え、学生たちからはさまざまな感想が寄せられました。
「普段の授業では経験しないようなゲーム形式でコミュニケーションを取ることができて良かった」「公務員を目指すうえで、人に寄り添うことの大切さを学ぶことができた」といった声のほか、仲間と協力する力や、柔軟な発想・対応力の重要性を実感したという感想もありました。
最後に講師からは、「自分のやりたいことばかりを優先するのではなく、相手としっかり向き合うことは、どのような進路を選んでも大切なことです」と、学生たちにメッセージが送られました。
自分の振る舞いが相手にどう伝わるのか。
相手の話を聞き、その立場に立って考えられるか。
演劇の手法を取り入れたワークショップは、普段の座学だけでは気づきにくいコミュニケーションのあり方を、実践を通して見つめ直す機会となりました。










