三浦ゼミが挑む。神戸で創業100年の食品メーカー『エム・シーシー食品㈱』の課題解決
公開日:2025年8月19日
サービス・マーケティングを中心に学ぶ、商学部マーケティング学科・三浦玉緒准教授のゼミ。2025年度は、エム・シーシー食品株式会社との共創プロジェクトに取り組みます。
神戸の地で缶詰の会社として創業したエム・シーシー食品株式会社は、2023年に創業100周年を迎えた老舗の“調理食品専業”メーカー。現在は、『調合ではなく調理する』という生産姿勢のもと、業務用・家庭用の調理缶詰、レトルトパウチ、冷凍食品などを製造・販売しています。
本プロジェクトでは、同社の看板商品『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』の認知向上に加え、商品の背景にあるストーリーや思いへの認知理解度の向上にも取り組んでいきます。
もくじ
4月17日(木) キックオフミーティング
三浦ゼミに所属する3年生4名は、4月17日(木)に神戸市東灘区にある本社を訪問。キックオフミーティングを行いました。
まず最初に、同社の担当者から会社の概要および課題について説明が。今回、ゼミ生たちはリニューアルした『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』をより多くの方に知ってもらうとともに、会社名と商品が紐づくような仕組みを考えていきます。同社の担当者からは、「最終的には、エム・シーシー食品や商品のファンを増やすことが目標」との思いが語られました。
続いて、「まずは実際に食べて商品の魅力を感じてほしい 」と、商品を試食させていただきました。テーマのカレーだけでなく、クラムチャウダーもご用意いただき、事前に聞いた“こだわり”や“味わい”を体感したゼミ生たち。「辛いものが苦手だけど、このカレーはまろやかでおいしい」「お肉が柔らかい」といった感想を述べるとともに、気になったことをいろいろ質問していました。その後、軽いディスカッションを行い、今後の進め方を相談。ゼミ生たちに期待することについても伝えられました。
そして最後には、同社のご厚意でゼミ生たちにお土産が!さらに好きな商品を3品選ばせていただき、かなり悩みながら3品をセレクトしたゼミ生たち。それぞれを食べ比べ、より良いアイデアの創出につなげていきます。
ここからは、この日のディスカッションで確認した事項を踏まえてアンケートを作成。それを元に調査を実施し、7月初旬に中間発表を行う予定です。
7月10日(木) 中間発表
キックオフミーティングから3カ月を経た7月10日(木)、『中間発表』を実施しました。
「エム・シーシー食品株式会社(以下MCC食品)および同社の販売商品のファンを増やす」というテーマのもと、調査・分析を行ってきたゼミ生たち。本学にお越しいただいた同社の担当者2名に向けて、その結果と今後の方向性について報告しました。
学内でMCC食品の『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』の試食会を実施
ゼミ生たちは、MCC食品とMCC食品の代表的な商品である『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』の魅力を理解した上で、若年層の認知度向上が課題と認識し『若者に商品が届いていない理由』を考えることからスタート。そのうえで、本学学生を対象に試食会とアンケート調査を行いました。
試食会では、会社の説明と『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』について紹介。同シリーズ3種のカレーを試食し、アンケートに答えてもらいました。
そのアンケートを元に、ブレインストーミングを実施。そこでMCC食品がターゲットするべき若年層の仮説を立て、本格的なアンケート調査に向けた主な質問項目を考えました。
約300人のアンケート調査からターゲットが明確に
質問は、会社の認知度に係るものから、外食の回数、カレーへのこだわりの有無、レトルトカレーを食べる頻度や購入時に重視するポイント、希望する価格帯、また神戸が好きか、といったものまで全部で23項目。約300人から得た回答を分析し、ターゲットを明確化。そのターゲットに向けたプロモーションが重要、と発表をまとめました。


質疑応答が、活発なディスカッションの場に
「会社のなかで、なんとなく感じていたことを、こうして可視化して、数値で見せてもらうことができて、とてもわかりやすかった」と、今回の発表を評価された同社の担当者の方々。その後の質疑応答では、双方が質問をし合う形となり、活発なディスカッションを行うことができ、ゼミ生にとって今後につながる大きな収穫を得ることができました。
“知る人ぞ知る名品”から“選ばれる定番”になる提案を
発表の最後に「『国産牛肉の100時間かけたビーフカレー』は、ターゲット層に響く適切なプロモーションによって、“知る人ぞ知る名品”から、ターゲット層に“選ばれる定番”へと成長できる可能性がある」と話したゼミ生。
最終報告では、その提案を発表する予定です。