IT企業が抱える“新卒採用”の課題に後藤奈々子ゼミが挑戦。新しい採用スタイルの提案へ
公開日:2025年10月24日

「キャリアデザイン・コミュニケーション」をテーマに、“しなやかに自分らしく生きる”ためのスキルやマインドの獲得を目指す、経済学部経済情報学科・後藤奈々子講師のゼミ。
2025年度は、株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターの『新卒採用』における課題解決に挑戦。新たな採用方法を模索するため、ゼミ生たちは大学生の実態調査や学生目線での広報提案に取り組みます。
4月18日(金) キックオフミーティング
4月18日(金)、同社の担当者が来学し、キックオフミーティングを実施。参加したゼミ生7名は、ここからはじまる本プロジェクトの目的やスケジュールについて説明を受けました。


今は、求職者が企業を選ぶ時代。そのなかで、同社が感じているのが『新卒採用における“採用プロセス”』の課題。そこで今回、ゼミ生たちは、さまざまな調査・実践を経て、学生目線での新しい採用スタイルの考案に挑みます。
ここから、大学生の就職活動の実態および仕事観の調査、業界・会社を理解するためのIT業務体験、学生目線でのアイデアを盛り込んだ広報(SNS)提案を行っていきます。
8月6日(水) ITエンジニア体験

4月にキックオフミーティングを実施して以降、『新しい採用スタイル』について模索してきたゼミ生たち。
夏休みに入った8月6日(水)には、三宮にある株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターの本社を訪問。ITエンジニアの仕事を体験しました。
“実践”からITエンジニアの仕事を学ぶ
この日のエンジニア体験に参加する前に自分たちが考えた企画案を提出していたゼミ生たち。本社到着後、同社社員の方から企画内容についてフィードバックを受けました。具体的な指摘やアドバイスもあり、今後の広報提案において重要な情報を得ることができた様子。その流れで、同社社員の方々と一緒にランチを楽しみ、緊張もほぐれたようでした。
そして、いよいよエンジニア体験へ。1人1台用意いただいたパソコンを前に、まずは“ITエンジニア”の仕事や実際の業務内容ついて具体的に説明を受けました。続いて、WEBページの構成やコードの基本的な書き方などについて学び、いざ実践へ。
Webページ制作に初挑戦!
ゼミ生たちが挑戦したのは、同社から提示されたテーマに基づいた実際のWebページ制作。先ほど受けた説明を思い出しながら、また配布された資料に目を通しながら、真剣な眼差しでページ作成に臨んでいた8名。初めての挑戦に試行錯誤しながらも、同社の社員の方々のサポートを受け、全員が見事にページ完成させました。
その後は、グループワークへ。全員の作成ページから一つを選び、テーマを決めて、イラストや写真を追加したり、色を変えたりしながら、ベストページをひとつ作成。ページが完成したら、各グループごとに『テーマ』『工夫した箇所』『アピールしたい箇所』『難しかったところ』などを説明しながら発表しました。


そして最後は、制作をサポートしていただいた同社の社員の方々との座談会。それぞれが聞きたかったこと、実践を通じて感じたことなどを質問していました。
やりがいと大変さを学び、楽しさを知り、世界が広がった1日
参加したゼミ生たちからは
- 最新技術に触れながら実際の業務の基本を体験できる貴重な1日だった
- チームでの開発や課題解決法のプロセスを学び、SEの仕事のやりがいや責任感を学んだ
- 今まで触れたことのない分野だったけど、やってみたら意外とおもしろいと思えた
- 初めての体験だったけど、自分で調べて学ぶ楽しさを感じた
- すべてを教えてもらうのではなく、自分で調べて理解すること、積極的に人を頼る大切さを学んだ
といった感想が。この日の体験を通して感じたことは個々で違います。それでも、8名それぞれが確かな学びを得ることができたに貴重な1日となったようです。
貴重な体験が生み出す“学生目線”の提案とはーー
限られた時間のなかで、積極的に学びを得ようとしていたゼミ生たち。これまで自分たちで行なってきた調査に、実際の業務をより深く理解することができたこの日の経験を生かし、『新しい採用スタイル』を“学生目線”で考えていきます。
10月17日(金) 中間発表

4月のキックオフから半年。同社の担当者2名を本学にお招きし、『中間発表』を実施。
『日本人チーム』と『留学生チーム』の2チームに分かれ調査を行ってきたゼミ生たちは、夏休みのITエンジニア仕事体験を通して感じたことなどを加味し、現状の課題とその解決策について発表しました。
アンケートから探る最適なSNS媒体
最初に登壇した『日本人チーム』は、SNSを用いた広告宣伝にスポットをあて、現状における課題を2つ挙げました。そのうえで、本学内の3年生を対象としたアンケート調査の実施を提案。何を目的に、どういった内容でアンケートを取るのか。アンケート調査のデータを分析することで、就活生の求めている情報を知り、最適なSNS媒体を導き出すことにつながる、と説明。最終発表では、投稿サンプルの提供を考えている、と話しました。
課題要因の認知不足は、“会社が見える”動画で解決
一方、「新卒学生からの応募が少ない」という現状の課題に対して、『認知不足』を要因として挙げた『留学生チーム』。どのような企業かがわからないため応募しにくい、という現状を打破するため、2種類の動画を作ること、を提案しました。

ひとつは、Youtubeのショート動画やTikTokを活用した『社員の1日』の紹介。もうひとつは、現役社員や役員の『インタビュー』。こうした動画を通して、仕事のやりがいや職場の雰囲気、そこで働く人たちの人柄などを知ってもらうことで興味を持ってもらえるのでは、と説明しました。
的確な課題の抽出&解決策の提案を高く評価
2チームの発表後の講評では、ゼミ生たちに「まず、ここまで弊社のことを調べて提案してくれたことに、感謝を伝えたい」と話された同社の担当者の方。そのうえで、課題に取り組む姿勢、抽出した課題の的確性と、それに基づく解決策や提案を、いずれも高く評価されました。

なかでも、『大学生が使うSNS』『若者とのエンタメ性の捉え方の相違』『Z世代の時間の使い方』などについてのリアルな声には、驚きを隠せなかった様子。一方、最終発表に向けての要望やアドバイスも伝えられていました。
ここから、提案内容の具体化に向けた取り組みを行っていくゼミ生たち。同社の方々のご協力もいただきながら、実際にサンプル動画や投稿などを作成し、最終発表に臨みます。












