道前ゼミがBRANCH神戸学園都市のハロウィンイベントを企画&ウエディングも実施
公開日:2025年11月7日

人間社会学部観光学科・道前美佐緒准教授のゼミでは、『婚姻』をキーワードに、民俗学的な視点で人々の暮らしや社会を豊かにするための研究活動を行っています。
BRANCH神戸学園都市との社会共創活動『BRANCHビジネスアカデミー』の一環として、昨年度は、『いい夫婦の日イベント』を企画。同施設内にて、公募したカップルの挙式・披露宴をプロデュースしました。2025年度は、同施設主催のハロウィンイベントの企画立案と『森の広場』の装飾に挑戦。そして、この『森の広場』を舞台に、『HALLOWEEN WEDDING』をプロデュースします。
5月12日(月) キックオフミーティング

4月からスタートした本プロジェクト。5月12日(月)には、3年生のゼミ生11名がBRANCH神戸学園都市を訪れ、イベント企画に向けたレクチャーを受けました。
個々で『ハロウィン』の祝祭文化などについて研究してきたゼミ生たち。この日は、次のステップとして、同施設のテナント会会長・船越秀樹氏から『商業空間のディスプレイ』について学びました。


VMD(ヴィジュアル マーチャンダイジング)についての説明にはじまり、カラーの大切さ、チラシやポスター制作のポイント、商業空間のディスプレイ手法や視覚効果など、事例を挙げながら解説。知っているようで知らないこと、無意識に見ているものなど、ゼミ生たちにも気づきが多くあったようで、ときに驚きの声を上げながら、熱心に船越氏の話に耳を傾け、メモを取っていました。


最後に、ハロウィンディスプレイの企画のため、実際の装飾品を見学。どういった素材が使われているのか、またどのように作成しているかなどについても学びました。
ここから、この日の学びはもちろん、ゼミ活動の軸でもある“民俗学的な視点”から、『“ハロウィン”という祝祭の文化を伝える』企画を考えていくゼミ生たち。次回の『BRANCHビジネスアカデミー』では、広場の装飾・広報・結婚式それぞれの企画を提案する予定です。
6月9日(月) 企画提案

今回の取り組みは、前回レクチャーを受けた「イベント企画」の実践編。テーマは“ハロウィンという祝祭の文化を地域に伝える”ことです。
「家族で楽しむハロウィン」を提案の軸に
提案の冒頭では、学生たちが掲げた2つの企画目的を共有。
ひとつは「BRANCHを、家族の思い出をつくる場所にすること」。そしてもうひとつは、「日本のハロウィン”を問い直すこと」でした。
そこから導き出された企画コンセプトが、「家族で楽しむハロウィン」です。

装飾のテーマは、“文化継承”と”家族”
- クライミングウォール|アイルランド×日本の文化を装飾に
森の広場にある「クライミングウォール」では、ハロウィン発祥の地・アイルランドの文化に注目。
実はアイルランドでは、カボチャではなく「カブ」をくり抜いたランタンが使われていたことや、アイルランドに縁のある作家・小泉八雲を例に日本との文化的つながりも紹介し、装飾の背景として提案しました。
- 森のステージ|日本らしさを添えた“おうち風”空間
続いて、森のステージの装飾案では、現在の日本のハロウィンがアメリカのスタイルに偏っていることをふまえ、「日本らしい家」をイメージした温もりのある装飾を考案。
子どもと一緒に作れる飾りのアイデアも盛り込み、“家族で過ごすハロウィン”を体現する空間を目指しました。


- 屋内階段|メキシコの「死者の日」で彩る
唯一の屋内空間となる階段エリアでは、メキシコの「死者の日(ディア・デ・ムエルトス)」をテーマにした装飾を提案。
色とりどりの“パペルピカド”やマリーゴールド、ガイコツの装飾など、鮮やかな色彩で空間を演出するアイデアが披露されました。
日本でのハロウィンの代名詞となるお菓子を提案!
提案の中には、アイルランドで親しまれる伝統菓子「バームブラック」の紹介も。
菓子の中に入っているアイテムで運勢を占うという“食の遊び心”を取り入れ、日本のひなあられや柏餅のように「ハロウィンといえばコレ!」という定番を目指し、BRANCH内の洋菓子店と連携しての商品化を提案しました。

道前ゼミといえば、“ウエディングプロデュース”!
最後に、道前ゼミの学生たちが得意とする企画力・提案力を集結させたウェディングプロデュース企画「HALLOWEEN WEDDING」について、現在考案を進めているポスターや会場装飾の報告を行いました。


来る10月、森のステージを舞台に、一般公募のカップルを対象にした挙式演出を予定しています。
「できない理由」ではなく「できる方法」を考える
学生たちの提案に対し、船越氏は「この短期間でここまで考えてくれたことに驚いた」とコメント。
「せっかくの提案だから、できる限り実現したい」と力強い後押しをいただきました。

その後は、雨天時への配慮や予算内での実現可能性についてのディスカッションも実施。
最後に、「できない理由ではなく、できる方法を考える姿勢を大切に」という言葉を学生たちに贈ってくださいました。
この日のフィードバックをもとに、ゼミ生たちは今後、提案をさらに具体化。
今回のイベントを「Halloweenの原点~ゴーストリー・アイルランド~」と名付けたゼミ生たち。地域とともに、文化を楽しみ・創り出す。道前ゼミの挑戦が始まりました。
7月14日(月) 装飾製作

6月に提案した装飾アイデアを形にするため、現在、本学内にあるデザイン工房で製作作業を行っているゼミ生たち。大詰めを迎えた7月14日(月)、BRANCH神戸学園都市テナント会の会長・船越氏ご夫妻からのアドバイスを受けながら、最後の作業に励みました。
アイデアを形に。装飾制作も大詰め!
この日は、2チームに分かれて作業をスタート。
クライミングウォール・森のステージの装飾チームは、設置するカートや柵にペンキを塗布。一方、マリーゴールドの装飾制作や大小さまざまな骸骨に思い思いの色を塗っていた階段装飾チーム。


製作に没頭し、各装飾が完成
部屋が静まり返るほど黙々と作業に没頭していたかと思ったら、自分の作品を見せながら笑い合ったり。真剣に、楽しみながら、各装飾を完成させていきました。
本番まで3カ月。
自分たちの手で作り上げた装飾で、『Halloweenの原点~ゴーストリー・アイルランド』というテーマをどう表現してくれるのか、今から楽しみです。
9月19日(金) BRANCH施設内装飾

9月19日(金)朝、BRANCH神戸学園都市に集まったゼミ生9名。
9月20日(土)からスタートする同施設のハロウィン装飾に合わせて、ゼミ生たちは3グループに分かれ、自分たちが担当する『森の広場』の装飾に取り組みました。
思い描いた装飾イメージが目の前でカタチに
『クライミングウォール』には、収穫祭を表現するため作物を入れるカートを設置。枯草を敷いたカートのなかにかぼちゃを配置していきました。また、 BRANCH神戸学園都市テナント会会長・船越氏が制作されたベースに枯れ木を飾りつけ、たき火を演出していきました。
一方、クライミングウォールの向かい側にある『森のステージ』では、壁面に紙の輪つなぎを飾りつけ。ゼミ生たちがプロデュースする「HALLOWEEN WEDDING」の舞台ということもあり、レースや花、すすきなどで飾りつけたアーチも設置していきました。
そして、唯一の屋内空間となる階段エリアでは、黙々と手すりに赤や緑、黄色といったカラフルな旗『パペルピカド』を飾っていくゼミ生の姿が。階段には自分たちで色を塗ったガイコツを並べていきました。
随分と涼しくなったとはいえ、太陽が燦燦と照りつけたこの日。暑さをものともせず、自分たちのイメージが形になっていく様を、ゼミ生たちは楽しんでいました。
「HALLOWEEN WEDDING」も最終段階に
10月26日(日)には、ゼミ生たちプロデュースによる「HALLOWEEN WEDDING」も実施。準備も、いよいよ最終段階に入ってきました。今後は、10月初旬に、公募により決まった新郎新婦との打ち合わせを行う予定です。
10月6日(月) 新郎新婦との打ち合わせ・ドレスフィッテイング

『HALLOWEEN WEDDING」まで20日となった10月6日(月)、公募により決まった新郎新婦が来学。挙式についての打ち合わせに加え、ドレスとタキシードのフィッテイングを行いました。
新郎新婦と初顔合わせ! 当日の衣装も決定
新郎新婦との初顔合わせとなったこの日。代表の学生が挨拶を行った後、おふたりはまず、スタイリストの学生とドレスとタキシードのフィッテイングへ。
新婦がドレスを選んでいる間に、新郎はタキシードを試着。あっという間に当日の衣装が決定しました。
一方、新婦は現在妊娠7カ月。比較的ゆったりしたデザインのウエディングドレスやカラードレスを試着するも、どうしてもお腹に負担がかかってしまうため、ドレスショップで妊婦用のドレスをレンタルすることに。ベールやアクセサリーなどの小物は、現時点で気に入ったものを選んでもらい、ドレスが決まったら改めて検討し直すことになりました。
お子さまを含めたご家族全員が満足できる挙式を
続いては、当日の進行や具体的な演出についての打ち合わせへ。
おふたりのプロフィールやなれそめ、理想の結婚記念日の過ごし方、ハロウィンでしてみたいことなどについて、一つひとつヒアリング。おふたりの明るい雰囲気もあり、打ち合わせは笑い声の絶えない和やかな空気のなかで進みました。
ゼミ生たちは、ヒアリングした内容をもとに、式のテーマやコンセプト、演出内容を検討。お子さまも含めたご家族全員が満足できる挙式をプロデュースしていきます。
10月26日(日) HALLOWEEN WEDDING

BRANCH神戸学園都市の『森の広場』のハロウィン装飾がひと段落した10月初旬、新郎新婦と初顔合わせをしたゼミ生たち。以降、限られた時間のなかで準備を進め、この日、待望の挙式当日を迎えました。
全員で協力しながら、能動的に準備
当日朝早く、会場『森の広場』には会場の設営や音響準備、司会原稿の確認など、事前準備をどんどん進めていく学生たちの姿が。新郎新婦が到着すると、新婦のヘアメイクやドレスの着付け、新郎のサポートなど、各自が自分の役割とスケジュールを確認しながら、限られた時間のなかテキパキと準備を進めていきました。この日は、9月から新たに道前ゼミの仲間に加わった2年生たちの姿も。先輩たちの動きを間近に見て学びます。


挙式開始前には、司会の学生が同施設を訪れている多くのお客さまに向けてアナウンス。お昼どきということもあり、『森の広場』にはお子さま連れのご家族などが続々と集まり、そのときを待っていました。
小雨が降るなかでの『HALLOWEEN WEDDING』
そして、13時30分。ポツリポツリと雨が降るなか、新郎がステージ対面のクライミングウォールに登場。お母さまからのジャケットを着せてもらう『ジャケットセレモニー』の後、ステージへ。続いて、純白のウエディングドレス姿の新婦が登場すると、一段と大きな歓声と拍手が湧き起こっていました。お母さまから『ベールダウン』をしてもらい、ともにバージンロードを歩き新郎の元へ。ステージに揃ったおふたりは、時折互いに顔を見合わせながら、誓いの言葉を述べられました。
温かで微笑ましい光景に、見ていた人たちも笑顔に
続いて、『リングガール』として新郎新婦のお子さまが、2匹の愛犬とともにいつもと違う姿の両親のもとへ指輪を届けました。その愛らしい姿に、会場にいた人たちも自然と笑顔に。そして、打ち合わせの際、「結婚するときにプロポーズをしていない」と話していた新郎から、新婦へプロポーズ。新郎からの言葉に、新婦は笑顔で応えていました。


そして、指輪の交換、新郎新婦が両サイドからお子さまのほっぺにキスをする『ファミリーキス』。最後は、3人の手形を順に重ねた結婚証明書に、愛犬の手形を入れて完成させ、来場者に向けてお披露目すると、その微笑ましい光景に、会場からは大きな拍手が贈られました。
新郎新婦から“ハロウィン”にちなんだサプライズが
さらに今回は、『HALLOWEEN WEDDING』ということで、挙式を終えた新郎新婦から会場に集まった子どもたちにサプライズが。「Trick or Treat」という言葉を唱えながら、子どもたちがお菓子を集めて回るハロウィンのイベントに倣い、ジャケットからマントに着替えた新郎と、ヴェールを脱いで魔女の帽子をかぶった新婦が“お菓子蒔き”を行いました。


司会の学生の呼びかけで、クライミングウォールの前に集まった子どもたちに向けて、「Trick or Treat!」の掛け声とともに、次々とお菓子を蒔いていく新郎新婦。子どもたちはみな空を見上げながら、手を広げて懸命にお菓子を掴もうとしていました。会場にいる人たちを上手に巻き込みながら楽しんでいた新郎新婦。その明るさに引っ張られるように、挙式開始時はポツリポツリと降っていた雨も上がり、会場全体が笑顔に包まれていました。
ゼミ活動での経験が生かされた挙式に
今回の挙式をプロデュースした3年生のゼミ生10名は、ゼミ活動がスタートしてわずか数カ月という2年生の秋にも、同じ場所でセレモニー&サンクスパーティーをプロデュースしました。また、ゼミ生の多くは昨年度・今年度と『キャンパスウエディング』にも参加。特に今年度は、各セクションのリーダーとして、4カ月の取り組みを引っ張ってきました。
そうした経験がしっかり生かされていた今回の『HALLOWEEN WEDDING』。自身の役割に能動的に取り組むゼミ生たちの表情には、自信が溢れ、とても素晴らしい挙式となり、新郎新婦ご家族にとっても、思い出に残る1日なったことと思います。
初めての挑戦での経験を、それぞれの夢に
今回は、ハロウィンイベントの企画・施設の装飾と、新しいことにも挑戦。結婚式のプロデュースとはまた違う難しさや大変さを体験し、さらに成長したゼミ生たち。この経験を生かし、これから自身の夢に向かって就職活動に臨んでいきます。

道前美佐緒ゼミについて
流通科学大学 人間社会学部観光学科の道前美佐緒ゼミは、「婚姻」をキーワードに、民俗学的な視点で人々の暮らしや社会を豊かにするための研究活動に取り組んでいます。
道前美佐緒先生が率いる、業界のプロを育成する流科大独自のキャリアアップセミナー(ブライダル)には多くのゼミ生が参加し、本物の結婚式をプロデュース。数々の感動を創り上げてきた企画力・提案力が強みのゼミです。
婚姻を軸に、新たな文化体験を創出し地域を盛り上げる――。
道前ゼミの活動に、どうぞご期待ください。













