コロナ禍における広告活動の特徴。これから広告に求められるもの

コロナ禍における広告活動の特徴。これから広告に求められるもの

公開日:2020年9月16日

キャリアップセミナー(マーケティング)

9月12日(土)、前週に続いて2回目となる『キャリアップセミナー(マーケティング)』の講義を実施。1年生~4年生まで約15名が参加しました。

今回は、日経広告研究所主任研究員の村上拓也氏を講師に迎え、『⽇本経済新聞マーケティング・コミュニケーションの新潮流〜コロナ下における企業の広告活動〜』をテーマに、広告業界の現状からコロナ禍における広告活動の特徴、今後の広告についてお話しいただきました。

コロナ禍でより縮まった個人とメディアとの距離

キャリアップセミナー(マーケティング)

村上氏はまず最初に、メディア利用行動の変化について、いくつかのデータを順に紹介。インターネットの利用率やテレビのながら利用が増えた背景、そういった時代背景における広告宣伝費の媒体配分、広告主企業が考える重要課題などについて解説しました。

また、テレビの視聴量の増加、2020年5月に新聞の接触率が過去3年間で最高値であったことなど、コロナ禍での人々の行動変化についても言及。「新型コロナウィルスの報道後は人々がメディアに接触する機会が増加している。その理由も、情報に対して『わかりやすい(テレビ)』、『信頼できる(新聞)』、『幅広い(インターネット・ニュースサイト)、『いろいろな人の意見が得られる(インターネット・ブログやSNS)』と、各メディアの特色が表れている」と、村上氏は分析しました。

‟ I ” から ‟ We ”へ。これからの時代に求められる広告とは・・

キャリアップセミナー(マーケティング)

コロナ禍における広告活動の特徴について、「社会の状況に合わせて、企業が‟一人称”になってタイムリーに社会にメッセージを発信する、新しいタイプの『広報的な広告』が増えた」と話した村上氏。その代表的なものとして『エール広告』と『トップ主導のメッセージ型広告』を挙げ、事例を通してそれぞれの特徴や具体的な内容について解説しました。
人々とメディアとの距離がより縮まり、在宅勤務・地方でのリモートが進む昨今。企業にとって必要になるのは、『社員を含むステークホルダーの求心力』だといいます。そのなかで求められる広告について、村上氏は次のようにまとめました。「ニューノーマルな時代においては、『個』を一つにするメッセージ性の高い広告が求められる」。

今までとは違う視点で広告を見てみる

講義終了後の質疑応答では、「消費者の記憶に残る(目を引く)ような広告は、他の広告とどんなところが違うのか?」「おすすめの広告は?」「企画から発信までどれくらいの期間がかかるのか?」など、学生たちは次々とチャット上に質問を書き込んでいました。

その後、村上氏が選んだいくつかの広告を元にワークショップを実施。それぞれの広告の背景にある『課題』とともに、『誰に(ターゲット)』『何を(コンセプト)』『いかに(広告表現)』発信しているのか、を考えました。こういった視点で広告を見ることで、今まで見えなかったものが見えてきます。このワークショップは、その視点を持つためのもの。学生は、自分なりの考察をチャットに記入。それを見た村上氏は「みんなちゃんとわかっていますね」と、感心されていました。

全4回のキャリアアップセミナーもいよいよ折り返し。
次回は、9月19日(土)。『⼥性のマーケティングキャリアと製薬会社のマーケティングリサーチ』をテーマに、製薬業界のマーケティングについて学びます。

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