2日間の集中講義で学んだ、流通業界で活躍するために必要な視点や考え方
公開日:2021年10月8日
9月16日(木)・22日(水)の2日間、『キャリアアップセミナー(リテール)』を開講しました。
このセミナーは、流通業界の第一線で活躍する講師とのディスカッションを通し、価格戦略や店舗開発など、私たちの生活を支える流通のリアルを学び、実践的な問題解決力を養っていくプログラム。一方的な講義ではなく、積極的な意見交換やチームでの共同作業を通じて、自分自身の考えを磨き、プレゼンテーション能力を高めていきます。
会場となった教室では、検温・手指のアルコール消毒&マスクとフェイスシールド(ディスカッション時)の着用や換気を徹底。座席もソーシャルディスタンスを確保した配置に。さらには、担当教員である商学部マーケティング学科・清水信年教授から「休憩ごとに各自自分の机を消毒する」「意見をホワイトボードにまとめる人を決め、その人以外はペン類は触らない」といった細かい注意事項も伝えられるなど、感染防止策を取ったうえでの実施となりました。
1日目
これからの時代の『データ活用』を考える 【アットテーブル】
今年のキャリアアップセミナー(リテール)のトップバッターは、株式会社アットテーブル マーケティング室室長の尾崎俊介氏。『小売業におけるデータ活用』をテーマに、『店舗分析』の基礎帳票の読み込みについて解説しました。
それを踏まえ、尾崎氏が提示したディスカッションテーマは「これからの時代にあるべきデータ活用とは?」。 学生たちは、カスタマージャーニーの視点で『来店前』『店内』『退店・再来店』にどのようなデータがあるといいか、そのための施策について、グループで議論を交わしました。
小売業における『価格戦略』とは? 【ビッグ・エー】
午後からは、株式会社ビッグ・エー代表取締役の三浦弘氏を講師に迎え、『価格戦略』についての講義が行われました。本学の卒業生でもある三浦氏が学生たちに提示した課題は、「スーパー・コンビニ・ドラッグストアで、同じ商品の価格が異なる理由」「商品の価格決定の要素」「どのような方法で、クオリティの高い製品・サービスが低価格で提供されているか」という3つ。それぞれのグループで積極的にディスカッションを行い、意見をまとめていきました。
2日目
お客さまにとって魅力的な店舗のレイアウト作成にチャレンジ 【成城石井】
この日は、株式会社成城石井 店舗運営本部エリアマネージャーの臼井一樹氏による講義からスタートしました。セミナーも2日目。臼井氏はまず学生たちに、「前日の2講義を振り返り、内容をわかりやすくまとめて発表してほしい」と伝えました。
各グループが発表を終えると、いよいよ本題に入った臼井氏。成城石井の概要や特徴について説明を行った後、『新店舗のレイアウト作成』をディスカッションテーマに挙げました。店舗のレイアウトを考えるのは初めての挑戦。資料を元に試行錯誤しながらも、学生たちはみな楽しそうに取り組んでいました。
データから『出店戦略』『販売戦略』を考える 【マルハチ】
続いて講義を行ったのは、本学の卒業生でもある、株式会社マルハチ 店舗開発部次長の芦田要氏。『出店戦略』をテーマに、出店を続ける意味や今後の中長期的な出店計画についても話されました。
その後、学生たちに出されたのが、『阪神地区に3店舗の出店計画を立案する』という論題。配布された資料と地図を見ながら、人口を比較したり、店舗の大きさや特徴などの戦略を考えたり。活発な意見交換を通して、自分たちなりの出店計画を立てていきました。
例年は、4日間の日程で行っている当セミナー。しかし、コロナ禍により、昨年度からは2日間という短い時間での実施に。そうした環境のなかでも、今年度も他大学から学生が参加。大学の垣根を超えた積極的な意見交換を行うことができました。
この2日間、ディスカッション⇒発表を繰り返すなかで、実際に第一線で活躍する講師の方から、提案を考える際に必要な考え方や姿勢、物事の見方などについて多くを学んだ学生たち。2日間で、ぐっと視野が広がり、視点も変化しました。この経験をこれからの学生生活のなかで生かし、自身が希望する業界で活躍できる人材を目指してほしいと思います。
参加学生のコメント
元岡みゆきさん(商学部経営学科2年)
「大学ではいろいろなことにチャレンジしたいと思っていたし、実際に働いている方の声が聞けるので参加しました。学年も違うみんなとディスカッションをしたり、グループワークをしたり、いつもの授業ではできない経験ができてよかったです。また、授業とリンクした内容や小売業についても深く学べたので、今後の就職に向けても参考になりました」
キャリアップセミナーとは
『社会に役立つ人材育成』を目的とした、産官学連携による教育事業。第一線で働く方々の生の講義を受けることで、その業界の特徴や働く魅力などを感じてもらい、自分の将来像、就職活動でのイメージをより具体的に掴む機会になっています。受講後は希望の業界への就職率が高く、卒業後の‟就職のミスマッチ”を防ぐ意味でも重要なプログラムです。