視野を広げた3日間。大学の垣根を越え学ぶ『キャリアアップセミナー(観光振興・地域創生)』
公開日:2024年3月15日
2月26日(月)~28日(水)の3日間、『キャリアアップセミナー(観光振興・地域創生)』を開講。本学を含む5大学の学生38名が参加しました。
昨年度から新たにスタートした、「観光振興」「地域創生」をテーマとした本セミナー。講師には、実際に観光振興や地域創生に積極的に関わる企業や団体のトップ・管理職の方々を招聘し、取り組んでいる事業や業界の現状、将来の展望や可能性についてお話しいただきます。また、学外での施設見学も実施。知識を得るだけではなく、自分自身のキャリアデザインを考える絶好の機会です。
1日目:2月26日(月)
開講初日は、「イノベーション」をテーマに講義を実施。さまざまな角度・視点から観光の可能性について考えました。
【基調講演】
『和製LCCによるビジネス・イノベーション』
株式会社ANA総合研究所
取締役副社長 森健明氏
【講義①】
『アイデアマンの3代目社長が引き起こすビジネス・イノベーション』
琴平バス株式会社
代表取締役 楠木泰二朗氏
【講義②】
『国内最大手旅行会社の営業マンが仕掛ける「ヒロシマ修学旅行」のイノベーション』
株式会社JTB広島支店
兼NPO法人 PEACE CULTURE VILLAGE
平和教育チーム 南知仁氏
2日目:2月27日(火)
2日目となったこの日は、学外プログラムとして、さまざまな施設へ。午前中は、神戸市で再開発が進められるウォーターフロント地区にある都市型水族館を、午後からは淡路島で株式会社パソナグループの関連施設を見学し、それぞれの取り組みを学びました。
劇場型アクアリウム「átoa(アトア)」見学
2021年10月、神戸のウォーターフロント地区に誕生したátoaは、アクアリウムとアートが融合した新感覚の都市型水族館。それぞれのゾーンに、テーマを形象するシンボリックな水槽があり、アクアリウムを核に舞台美術やデジタルアートが融合された不思議な空間に、学生たちも興味津々の様子でした。
ワーケーションハブ鵜崎(パソナグループ運営施設)訪問
átoaを見学した学生たちは、そのままバスに乗り込み、淡路島へ。まずは、パソナグループが運営する『ワーケーションハブ鵜崎』を訪問。目の前が海、という最高のロケーションで仕事ができるこの場所では、パソナグループの社員の方々から現在行っている業務などについてお話を聞きました。そのなかには、本学の卒業生である岸本芽衣さんと川尻賢一さん(ともに2018年卒)の姿も。同窓の先輩のお話とあって、より学生たちには響いた様子。また、現在こうして活躍されている姿を通して、自分の将来を考える良い機会にもなりました。
株式会社パソナグループ
サービス採用チーム 岸本芽衣氏
株式会社パソナグループ
事業開発部 不動産グループ 川尻賢一氏
卒業生の他にも社員の方々が登壇してくださり、トークテーマに沿ってパネルディスカッションが行われ、学生たちも積極的に質問していました。
農家レストラン 陽・燦燦(パソナグループ運営施設)訪問
その後、訪れたのは、同じくパソナグループの運営施設である『農家レストラン 陽・燦燦(はる・さんさん)』。自社農園で栽培した身体と環境にやさしい採れたて野菜と淡路島の生産者が心を込めて栽培した食材が楽しめるレストランです。ここでは、レストランで提供される野菜を栽培する自社農園や自家堆肥(コンポスト)の製造現場を見学しました。
また、レストランも見学。「食」と「農」と「住」の体験を通じて、淡路島の恵まれた自然環境のなか、心身の健康と豊かな暮らしを発信する自然循環型滞在施設になろうとしている同施設の取り組みを聞きました。
禅リトリート施設「禅坊靖寧」(パソナグループ運営施設)見学・体験
最後は、『淡路島の大自然を見渡しながら禅体験ができる、禅リトリート施設 禅坊靖寧』を見学。海外からの観光客にも人気のこの施設では、日本杉を組み合わせて作られた全長100mのウッドデッキから見渡す限りに広がる淡路島の景色を堪能。また、展望デッキでは、木の温もりを感じながら、座禅用の椅子に座っての瞑想も体験しました。
現地に赴き、さまざまなタイプの施設を見学したり、サービスを体験した1日。座学だけでは学べない気づきや感覚もあったようで、貴重な実学の時間となりました。
3日目:2月28日(水)
最終日はこれまでの2日間の学びを踏まえ、“体験型”の観光を軸とした地域創生のカタチについて学びました。
【講演・ワークショップ】
『アドベンチャーツーリズムを軸とした、地方創生のカタチ』
一般社団法人 Hiroshima Adventure Travel
業務執行理事 佐藤亮太氏
講義後は、ワークショップとして、グループごとに旅行プランを考えました。佐藤氏からの、「目標設定を明確に」して「ツアーとしてあり得るもの」という話をもとに、それぞれの意見を出し合っていく学生たち。ディスカッションを重ね、決まった内容は模造紙1枚にまとめ、グループごとに前に出て発表を行いました。
各グループの発表に対して佐藤氏からいただいた率直なコメントを、学生たちは今後の学びや取り組みに生かしていきます。
観光振興・地域創生をテーマに、各企業・団体の事業や取り組み、考え方に触れた3日間。最終日の講義終了後には、各グループでディスカッションを行い、3日間の学びや気づきを改めて振り返りました。
そして最後は、人間社会学部観光学科・西村典芳教授より参加学生へ修了証書が渡されました。
午後からは、施設見学に伺った株式会社パソナグループをはじめとする観光振興・地域創生に関わる企業4社による学内企業説明会※を実施。多くの学びを経た3年生たちにとっては、これまでとは違った視点で企業説明会に臨むことができたようです。
※)本学の学生を対象とした企業説明会。今回は、キャリアアップセミナーのプログラムの一環として、本セミナーを受講した他大学の学生に限り参加可能にしています
タイトなスケジュールのプログラムでしたが、集中し前向きに取り組んでいた学生たち。講義を聞くだけでなく、実際に施設を見たり体感したり、グループでのディスカッションを通してインプットとアウトプットを繰り返すなかで、気づきや学びを深めることができたようです。また、本セミナーはオープンプログラムとなっているため、大学の垣根を越え、同じ時間・学び・考え・価値観などを共有することができ、学生たちにとっては貴重な経験となりました。
知識や情報を得るだけでなく、物事をさまざまな角度から見られる広い視野を身につけることができた有意義な3日間となったようです。