流通業界の“現在”から“未来”を考えた【キャリアアップセミナー(リテール)】

流通業界の“現在”から“未来”を考えた【キャリアアップセミナー(リテール)】

公開日:2024年10月8日

キャリアアップセミナー(リテール)

9月10日(火)~12日(木)の3日間、【キャリアアップセミナー(リテール)】を開講。22名が参加しました。

本セミナーは、流通業界の第一線で活躍する講師とディスカッションを通して、価格戦略や店舗開発など、私たちの生活を支える流通のリアルを学び、実践的な問題解決力を養っていくプログラム。一方的な講義ではなく、積極的な意見交換やチームでの協働作業などを通じて、自分自身の考えを磨き、プレゼンテーション能力を高めていきます。

1日目:9月10日(火) 講義/ディスカッション・セッション

プログラム① 『基調講演』 株式会社とくし丸 住友達也氏

株式会社とくし丸

初日最初の講師は、株式会社とくし丸 取締役ファウンダーの住友達也氏。『移動スーパーの社会的役割とその可能性』をテーマに講義を行いました。

メモを取る学生たち

講演の様子

47都道府県で移動スーパーを展開している同社。その事業の目的や仕組み、移動スーパーの役割とこれまでの取り組み、今後の展望などについて幅広くお話しいただきました。

プログラム② ディスカッション・セッション 『小売業の新規事業開発』 株式会社ローソン 藤井洋三氏

株式会社ローソン

午後からは、株式会社ローソン インキュベーションカンパニー 新規サービス部 マネージャーの藤井洋三氏を講師に迎え、『小売業の新規事業開発:をテーマに講義を行いました。

講義の前に、「コンビニエンスストアにおける事業開発(新規事業)を考えてください」というテーマのもと、グループディスカッションを実施。

グループディスカッション

アイデアをまとめる学生

10年後にお客さまさまが必要とするサービスの検討、店舗敷地(店内・駐車場)、店舗敷地外を活用したサービス、新しいサービスや既存サービスの発展型、また他業界のサービスの取り込みなど、広い視野でアイデアを考えていきました。

グループ発表

藤井氏からのアドバイス

最後はグループごとに発表を行い、学生ならではの斬新な提案を高く評価していた藤井氏。奇想天外な提案に笑いが起こる場面も見られました。

2日目:9月11日(水) 店舗見学

店舗見学

2日目のプログラムは、学外での実地学習。阪神間にあるスーパーなど3カ所を訪問しました。

① スーパーセンタートライアル 明石西インター店(株式会社トライアルホールディングス)

まず訪れたのは『スーパーセンタートライアル 明石西インター店』。「あなたの生活必需店」をコンセプトに、生鮮・食品・日用雑貨・医療などを取り揃え、全国300以上の店舗を展開しているディスカウントストアです。

説明を聞く学生たち

メモを取る学生たち

ディスカウントストアは、食品を中心とした総合品揃え型の店舗で、衣食住に関わる様々な商品を1店舗で揃えられるワンストップショッピングを提供しています。また、4つのマルチフォーマットで効果的に運営し、ローコストオペレーションをすることで、エブリデーロープライスを実現。今回の店舗はスーパーセンターです。

② 神戸ハーバーランド

続いて訪れたのは、『神戸ハーバーランドumie』。神戸の港に面する3階建ての現代的なモールで、世界的なブランド店からファストフード店まで、さまざまな店舗が数多く並んでいます。

③ 関西スーパー 琵琶店(株式会社関西スーパーマーケット)

そして、最後に訪れたのは、神戸市灘区にある『関西スーパー 琵琶店』。「スーパーマーケットは、地域のお客さまに毎日の生活に必要な食材と消耗雑貨を提供していくことが役割」との理念のもと、兵庫県・大阪府・奈良県に60以上の店舗を展開しています。

店舗見学する学生たち

説明を聞く学生たち

『納得の品質と価格』『おいしさに確かな安心を』『生鮮3品と総菜へのこだわり』『豊かなお惣菜をお手頃価格で』『“とれたて”と“旬”のおいしさを』『売り場に自信と誇りを』という6つのキーワード。「今、おいしいものを、おいしい産地から、お求めやすくお届けする。そんな地域の方のためのスーパーマーケットである」という原点。それらを大切に、営業を行っています。

メモをとる学生

説明に耳を傾ける学生

訪問先3カ所で、陳列されている商品や価格、陳列方法の違いなど、さまざまな視点で見て回った学生たち。実際に自分の目で見たからこそ、わかったこと、気づけたことが多々あったようで、担当者の説明に真剣に耳を傾けながら、気になることや疑問に感じることは積極的に質問していました。

3日目:9月12日(木) ディスカッション・セッション

プログラム① 『出店戦略と店舗開発』 株式会社マルハチホールディングス 芦田 要氏

株式会社マルハチホールディングス

最終日となったこの日は、株式会社マルハチホールディングス 店舗開発部部長・芦田要氏の講義からスタート。芦田氏は、『出店戦略と店舗開発』をテーマに、チェーン小売業が出店を続けることの意味や今後の中長期的な出店計画についてお話しされました。

出店計画を発表する学生

芦田氏からの感想

また、学生たち自身が「阪神地区に3店舗の出店計画を立案する」という論題についてディスカッション。商圏や競合店を調査・分析し、出店計画をグループごとに発表しました。

プログラム② 『小売企業の戦略』 イオンビッグ株式会社 三浦 弘氏

イオンビッグ株式会社

そして、今年度のプログラムの最後を締めくくったのは、こちらも本学の卒業生である、イオンビッグ株式会社 取締役・副社長の三浦弘氏。『小売企業の戦略』をテーマに、日本における『小売業』の主な業態や差別化戦略、成功マトリクスなどについて、学生たちに説明しました。

講義の合間には、実際の企業のSWOT分析や5フォース分析の作成などをテーマとした企業経営者が戦略を策定する疑似体験やグループディスカッションも実施。講義で学んだ知識をさっそく思考のツールとして活かし、学生たちは積極的に意見交換を行いました。

ディスカッションの様子

講義を聞く学生たち

また、講義の最後にはある動画を紹介。将来の消費者の生活シーンが具体的に描かれたこの動画を通じて、消費者変化から注目すべきキーワードなどについてお話しされました。

3日間の研修中、何度もグループでのディスカッション&発表を繰り返した学生たち。実際に小売業の現場で活躍する講師の方々から、提案を考える際に大事な考え方や物事の見方について多くのことを学ぶとともに、自分以外の人の意見を聞き、議論を交わすなかで、視点が変わり、視野も広がったようでした。

キャリアアップセミナー修了学生たち

キャリアップセミナーとは

『社会に役立つ人材育成』を目的とした、産官学連携による教育事業。第一線で働く方々の生の講義を受けることで、その業界の特徴や働く魅力などを感じてもらい、自分の将来像、就職活動でのイメージをより具体的に掴む機会になっています。受講後は、希望の業界への就職率が高く、卒業後の“就職のミスマッチ”を防ぐ意味でも重要なプログラムです。

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