理屈で動くな。感覚を信じろ! 学生の心が揺さぶられた怒涛の『プロデュース論』

理屈で動くな。感覚を信じろ! 学生の心が揺さぶられた怒涛の『プロデュース論』

公開日:2020年5月8日

プロデュース論

5月7日(木)、今期2回目となる特別講義『プロデュース論』を実施。今回も120名を超える学生が受講しました。

講師は前週に引き続き、讀賣テレビ放送(株)で「ダウンタウンDX(デラックス)」をはじめとする数々のヒット番組や企画を手がけてきたプロデューサーの西田二郎氏。
今回は、“アフターコロナ”の社会を生きていくために身につけておきたい考え方、についてお話しされました。

初回講義で学んだ『鍵穴理論』に、大きく心を揺さぶられた学生たち。2回目となったこの日の講義は、まさにこの“揺さぶり”理論をテーマに、前回以上に熱い講義が繰り広げられました。

揺さぶられない人は、揺さぶれない

プロデュース論

西田氏は講義の最初に、「今日は、社会に出ていくために身につけておきたい考え方、学校で教えてもらうことがなかった社会のたしなみ、について話したい」と学生たちに伝えました。特に、アフターコロナの社会変化に対応していくために必要になってくる“自分”という、資源であり資本であり財産をどのように使っていくか。その考え方のベースとなるのが、揺さぶり理論、なのです。「世の中のすべての関係性は、『揺さぶる(人)』と『揺さぶられる(人)』でできている。だから、とにかく世の中を揺さぶれ。それだけでいい」と。それが『揺さぶり理論』だと西田氏は言います。

『揺さぶる』とはつまり、人を、ハッとさせ、すごいと思わせ、感動させること。では、どうすれば『揺さぶる人』になれるのか? そのポイントを西田氏は、「まず、自分自身が揺さぶられること」と話します。揺さぶられることがない人は、人を揺さぶることはできない、と。自分自身が日々の暮らしを通して、ハッとしたり、すごいと思ったり、感動したり。物事をプラスとして受け取っていくなかで、“揺さぶられてしまう根本”を自分のものとして感じることができるのです。特に、今のような時期にこそ、そこを意識してほしい、と。「今のこの自粛期間の時期にやれることは、知識を貯めることでも、たくさん勉強をして誰よりも賢くなることでもない。当たり前のなかにあるものに、どれだけ揺さぶられる人になるか、ということ。ほんの小さなことでも何かを感じてみる。すごいと思ってみることが大事」と、西田氏は話されました。言葉にすると簡単で、誰でもわかるし、誰にでもできること。でも、多くの人はできない。「誰でもわかること・できることは誰もやらない、ということをしっかりと覚えておいてほしい。だからこそ、それをやる人が揺さぶる人になっていける。学生のうちはとにかくたくさん揺さぶられる体験をしていた方がいい」と、西田氏は強い口調で学生たちに伝えていました。

“揺さぶられる”=自分の強みを知るための練習

この“揺さぶり”は、前週のテーマであった『鍵穴理論』の鍵(=自分の強み)に相当するもの。つまり、鍵を得ていくための練習が“揺さぶられること”なのです。そこで西田氏は、「最近揺さぶられたことは?」と、画面の向こうの学生たちに質問。すると・・チャット上は、「映画を見て心を揺さぶられた」「届いた商品のケースの裏にメッセージが書かれていて感動した」「色鉛筆の箱を開けた瞬間の匂いが素敵でドキッとした」「ライブを見て音だけではない何かに揺さぶられた」など、学生のさまざまなエピソードで溢れました。それを見て、「本当は揺さぶられているけど、無意識の部分も大きい。だから、言葉にしてみるというのはすごく大切。自分の奥の方にあるようなものを、“揺さぶられている”と感じるその感覚を否定しないことが大事」だと、西田氏は学生にアドバイス。その積み重ねが、揺さぶり感覚につながっていくのです。

プロデュース論

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“揺さぶり”に大切なのは、まかない感覚

揺さぶりを考えるうえでのキーワードを、「まかない感覚を身につけること」だと西田氏は言います。それはつまり、今ある環境を受け入れ、足らずに文句を言わず、あるものを生かし、自分の目が届く範囲でやれることをする、ということ。「できる人は、できないことを言わない。自分のできる範囲でもがき苦しんでその範囲を広げていく。“ない”ことに文句を言う人は一生できないし、やらない。やれないんじゃなくて、やらない。与えてもらった環境で、自分ができることをやればいい。やれるときにやらない人は一生やらない人になる」と。
前回の『鍵穴理論』に、心を“揺さぶられた”学生たち。ただ、自分の日常にどう落とし込んでいけばいいのか、そこに「?」があったよう。そんな声に応えるため、西田氏は今回『誰もができること』を伝授しようと思ったそうです。「ただし、誰でもできることは誰もやらない。でも、鍵穴を見つけて鍵を開けていくという強い思いがあるなら、願望ではなく実現していかなければいけない。実現していく人とそうでない人との差は、やるかやらないか、それだけ。このすごく簡単なことを淡々とやっている人が、揺さぶる人、になる」と、真剣な眼差しで学生にメッセージを送りました。まずは、自分が今いる環境を否定せず、そこでできることを徹底的にやっていくこと。自分の手の届く範囲のなかで自分の世界を大きくしていくことが大事だ、と。

今までの常識が通用しない“アフターコロナ社会”を生き抜くために

これらを踏まえて、講義は実践編へ。『これからやっておいた方がいいこと』について、西田氏は時間ギリギリまで学生たちに伝え続けました。

『ヒットは偏差値からは生まれない』

  • 知の集積からのアプローチではなく、知識の外にある“知恵”の領域へ
  • 偏差値の教育からは、何も“揺さぶる”ものは生まれない
  • みんなが「いい」と思うような感覚のなかにヒットはない

『あたりまえに疑問を持つ』

  • あたりまえのルールは本当にあたりまえなのか?
  • すべての局面において“あたりまえ”と思うようなことに疑問を持つ
  • その“あたりまえ”は何なのか? を問いかけていく人になる

『言葉にできない感覚をたくさん持っておく』

  • これからの時代は『非言語化』の時代。「わからない」ことこそ尊い
  • 共感を得ることだけが生きている証、ではない
  • 自分のなかにある、誰にも伝えることができないような感覚、が意味を持つ時代に

『説明ができないことは悪いことではない』

  • 理屈で動くな。感覚を信じろ
  • 大人になるごとに「なんでかわからない」という感覚をどんどん捨ててしまう
  • 社会もとかく説明求めるが、「なんでかわからないけど」という感覚を大事に

『押しつ押されつ』

  • 人生は持ちつ持たれつ。スイッチを押されたり、押したり
  • 人生のなかのスイッチを押されたり押したりすることが大事
  • これは揺さぶりと同じ。揺さぶられた結果、スイッチを押される

『知らないことは悪いことではない』

  • 知らなくてもいい。知らないほうが答えに早くたどり着けることもある
  • 知識がないと世の中何もできないわけじゃない
  • 知識があればなんとかなるという感覚は捨て、自分自身を高めていくことを考える

『仕方ないなぁ・・・』

  • 「あなたはそういう人だ」と思わせるキャラ認知をさせることがとても大事
  • キャラが認知されればされるほど「仕方ないなぁ」という言葉が出てくる
  • 「仕方ないなぁ」は、相手が認めて許しているということ

『愚痴る前に、まず好きになる、尊敬する』

  • これからは愚痴っている人にチャンスが回ってくる生易しい時代ではない
  • 前向きに未来を開拓し、幸せを振りまく意識を持っている人が世の中の原動力になる
  • いいところを見つける力、相手を許す心を持つ
  • 今こそ、ダメなところではなく好きなところを見つける、をやっていくことが重要

『本当の土壇場を知っているのか? 諦めていませんか?』

  • 土壇場になったときに諦めてしまうと何も出ない
  • 本当の土壇場までいっても諦めない人が次の知恵を見ることができる
  • 足りなければ足りないほど、本質を抜き出すことができる

『価値をつなげる』

  • 類似じゃない価値と価値をつなげるほど振れ幅は大きい
  • 単語を書き出し、適当に2つを並べてみたりを繰り返すなかでアイデアが生まれる

『続ける才能も考えておく』

  • ビジネスで一番大事なのは、ロングセラー
  • 勝ち続けるために持続的なチームをつくる
  • 自分のことを理解してくれるパートナーの存在を見つける

『勝たなくていいんだ、負けなければ』

  • 「勝つ=負ける」「勝ちにこだわる=いつか負ける」ということを意味する
  • 勝ってしまうと、負ける瞬間も経験しないといけなくなる
  • 勝っているようでも、負けているようでもあるという“グレーゾーン”をキープする

『相手になりきってみる』

  • どのように世界が見えているのか。相手の目線で考える
  • 相手になりきってみることで、相手の“リズム”がわかるようになる
  • 相手のリズムを共有できることにより、同じメロディーを奏でられる仲間になる

『寄り道しよう! 目的的思考(効率的)からの脱却』

  • これからの社会は荒地。効率的に建物が建てられる環境にはならない
  • これからの時代は、目的的思考から抜け出し、寄り道して答えを見つけるアプローチへ
  • 必要なのは、効率より“無駄”。学生時代こそ、とことん寄り道をする

プロデュース論

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90分の講義のなかで、怒涛のメッセージを送り続けた西田氏。最後に、2回のオンライン講義を振り返り、「普段、大学で講義を受けているより伝わっている人はいる。一方、いつもの授業の形ではないからと適当に聞いている人もいるかもしれない。どのように関わっていくかは自分の責任。ただ、画面越しにみんなの表情を見ると真剣そのもの。オンラインでこんなに真剣に聞けるみんなは感度が高い。自分たちの感度はすごいんだと思ってほしい。これからは、今までの常識のうえには社会は展開していかない。そのために、より感度を高めて、どれだけ揺さぶられるか、ということを大切にしていってほしい」と、学生たちに言葉を送られました。

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