人の心を揺さぶるのは、感覚ではなく論理的発想での仕掛け! ープロデュース論ー

人の心を揺さぶるのは、感覚ではなく論理的発想での仕掛け! ープロデュース論ー

公開日:2020年7月3日

プロデュース論 太田雅人氏

マスコミの第一線で活躍する講師を招き、新たな価値を生み出す力を学ぶ『プロデュース論』。第9回目となるオンライン講義を、6月25日(木)に行いました。

今回の講師は、名古屋テレビ放送株式会社 コンテンツビジネス局映像コンテンツ部マネージャー・チーフプロデューサーの太田雅人氏。これまで、バラエティ・ドラマ・情報などさまざまな番組を担当。現在は、出演者も制作人もキャンプ素人がウリのバラエティ『おぎやはぎのハピキャン』、名古屋発祥のヴィレッジヴァンガードとタッグを組んだ連続ドラマ第2弾『ビレバン2』、地上波では放送していない配信コンテンツ『眉村ちあきのアーティストと遊ぼう』など、少し特殊な番組制作に携わられています。

入社1年目から24年間、一貫して制作畑を歩んできた太田氏。『コンテンツ制作に必要なコト』を通して、「いかに人の心を揺さぶるか?」を学生たちに話されました。

感性や感覚より『論理的発想』

講義の冒頭、学生にクイズを2問出題した太田氏は、「コンテンツ制作に大事なことのひとつに『論理的な発想』がある、ということを伝えたかった」と、その目的を話しました。バラエティなら“笑い”、ドラマであれば“感動”、情報番組なら“納得”の『法則』があるといいます。「コンテンツ制作というと、感性や感覚が重要と思うかもしれないが、実はいろいろな企みが見えないところでいっぱい仕掛けられている」と。太田氏は「1日では到底語りつくせない」としながらも、その仕掛けについてひとつずつ解説されました。

ひとの心を揺さぶる、4つの仕掛け

コンテンツ制作で大事なのは、どうやって人の心を揺さぶるか、印象づけるか。そのために効果的な仕掛けとして、太田氏は『ワード』『数字』『比較』『アイデア』の4つを挙げました。
“無料”と聞くと心が惹きつけられたり、“限定”と言われたら今買わないとと思ったり。実際はわずか1gなのに、1000mgと表記されていると “多い”と思ってしまったり。太田氏は、「コンテンツ制作だけに限らず、人の心を揺さぶるために重要なワードや数字の使い方がある。特に、比較はいろいろな局面でとても効果的。それ自体は何も変わらないのに、対象物によって受ける印象が変わる。比較は人の印象を変える」と言います。

プロデュース論

また、根本的な『アイデア』はないと難しいけれど、すべて自分から生み出す必要はない。ないなら誰かからもらったり、得意な人に考えてもらえばいい。ただ、どのアイデアにするか、最後の判断基準は自分でしかない、と。太田氏は、「だからこそ、論理的発想が必要。これまで話した4つの仕掛けは、どんな仕事でも役立つと思うので、すべてがわからなくても何かひとつでも参考にしてもらえれば」と、前半の講義をまとめられました。

熱を持って説明できるくらい好きなことを

後半は、『逆転の発想』について。再び2問のクイズを通して、『人と少し違った角度でものを見ること』『逆転の発想をしてみること』の大事さを伝えました。「コンテンツ制作に限らず、みなさんが何かを考えるとき、ちょっと違う目線や裏側を見ていくことで新しい発想が出てくる」と、学生にアドバイスしました。

太田氏が最後に話したのは、「最終的にいちばん大事なもの」だという『熱』について。テレビ番組を作るということは、いろいろな人たちと一緒に仕事をするということであり、その仕事のほとんどは説明、だといいます。そこで一番大事になってくるのが、熱。「説明は熱がないとできない」。それが太田氏の実感だそうです。
「自分が好きなこと、やっていて一番飽きないことをビジネスや企画にしていくのが一番。そうすれば、いくらでも話せるし説明できるから」とメッセージを送り、講義を締めくくった太田氏。どんな業界でも使えるエッセンスが凝縮された90分となりました。

講義終了後、学生から「これからの就活で大切なことは何ですか?」との質問が。就職の面接官をしているという太田氏は、「端的にいうと、自分磨き。とはいっても、別に海外に行って何かをした、とかそんな難しいことじゃなくていい。人とは違う経験や体験をする。それがものすごく大事」とアドバイスされていました。

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