ビジネスの仕組みを見通し、いかに付加価値を生み出せるか。-プロデュース論ー

ビジネスの仕組みを見通し、いかに付加価値を生み出せるか。-プロデュース論ー

公開日:2020年7月15日

プロデュース論 那須惠太朗氏

さまざまなメディアのプロフェッショナルから学ぶ特別講義『プロデュース論』。

10回目の講義となった7月2日(木)は、(株)サンテレビジョン営業事業局次長 兼 業務推進センター長の那須惠太朗氏を講師にお迎えしました。

ニュース記者、ディレクターを経て、神戸・東京でプロデューサーとして多数の情報番組やドラマ・バラエティ番組を制作。その間に神戸大学でMBAも取得されています。現在、営業売上の統括・管理、CM戦略を担当している那須氏は、これまでの自身の経験を通して感じた『プロデュース』という仕事やテレビ業界の今後についてお話しされました。

『プロデューサー』の役割はトコロやクニで違う!?

プロデュース論

最初に『プロデューサー』の仕事や役割についての説明を行った那須氏。一言に『プロデューサー』と言っても、その仕事内容は「サンテレビと大阪の準キー局でも相当違うし、日本とアメリカに至っては仕組みから全然違う」と言います。日本のプロデューサーは大半がテレビ局などの企業の社員であるのに対して、アメリカは独立した存在。基本的に制作・予算管理が仕事の日本に対して、アメリカは資金の調達から管理まですべてを担務。那須氏いわく「日本とアメリカでは、プロデューサーになるまでのトレーニングの仕方が全然違う」と。リスクもあるけどチャンスもあるアメリカでは、プロデューサーという役割はとても重要視されているそうです。

『好きな仕事』と『向いている仕事』は違う

ネットワークに属していない独立した放送局であるサンテレビは、アメリカ同様「資金調達もプロデューサーの仕事」の場合も。さらに、100%自主編成のため、コンテンツを自分たちで国内外から調達するなど、小規模な会社ながら幅広い業務を担っています。そのなかで那須氏は、「やってみると意外と向いているということがある」と痛感したそうです。そのうえで、「しんどいことも多いけどそれだけやりがいや楽しさもある」とプロデューサーという仕事を評しました。ただ、「好きな仕事と向いている仕事は違う。それはやってみないことにはわからないから、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と学生に伝えました。

価値の源泉が問われる時代に

かつて地上波しか存在しなかったテレビのチャンネルは、今では衛星波含め約370まで増加。競争は激化しています。「番組自体はそんなにたくさん作れないので、競争相手の増加に伴い、同じような番組が増え、コモディティ化が生じてくる。自分たちのチャンネルを見てもらうためにはオリジナルコンテンツが必要になってくる」と、那須氏は話します。とはいえ、テレビと似たようなことがインターネットできるようになり、 SNS等の新しいメディアも出現。購買力のある10~20代の男女がメディアに接触する媒体はスマホ。そんな現状に「改めて自分たちの価値の源泉が問われる時代になってきている」と課題を語りました。

『本質を見極める』のがプロデューサーの役割

那須氏は最後に、プロデューサーに求められる要素を3つを挙げました。ひとつ目は、理系の分析力と文系のコミュニケーション力。ふたつ目は、所属する業界における『ビジネスの仕組み』を見通す力。これについては、「理解するまでに相応の年月が必要になるが、目に見えていることだけでなく、そのビジネスがどういう仕組みになっているのかを意識することが大事」とアドバイス。最後は、付加価値の創出。「付加価値を何で見るかというと、自分たちが作るコンテンツと、それをどう数字(実数)に反映させられるか」だと。これらの要素は、どのような業界・仕事であっても意識しておきたいことです。

「変化のなかで大事なのは、本質を見極めること。それを覚えておいてほしい」と伝え、講義を締めくくりました。

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