これからの時代。好きなことで生きていくには?-プロデュース論ー

これからの時代。好きなことで生きていくには?-プロデュース論ー

公開日:2020年8月25日

7月16日(木)、12回目となるオンライン特別講義『プロデュース論』が行われました。

この日の講師は、読売テレビで「ダウンタウンDX」「秘密のケンミンSHOW」「どっちの料理ショー」など全国ネットの番組を中心に、ディレクター・プロデューサー・演出を歴任。今春、YouTubeビジネスで起業した(株)ケイコンテンツ代表取締役CEOの平山勝雄さんです。‟好き”が高じて会社まで立ち上げた平山氏。この日は、自身が携わってきたテレビとYouTubeの比較からそれぞれの今後、そこから見通す『これからの時代に好きなことで生きていく方法』について学生たちに伝授されました。

“プロ”のテレビ、“誰でも”はじめられるYouTube

まず最初に、テレビとYouTubeの現状についてデータをもとに解説。それらを踏まえたうえで、4つの視点からテレビとYouTubeを比較・分析されました。

ターゲット

テレビ
  • ‟マス”に向けて作られている
  • 世代・男女を超越して、誰にとってもおもしろいコンテンツを作るのが目的
  • 家族全員が違った目線でひとつのものを見るため、高い演出力が必要
YouTube
  • ‟スモールマス”に向けて作られている
  • ターゲットが絞られている=親近感
  • 全員におもしろいと言わせるものではなく、個々のジャンルだけで作る

製作クオリティ

テレビ
  • それぞれの専門分野のプロが多くいて、最高品質の映像を作る
  • 家族で安心して見られて、誰もが楽しめるものを作ることが目的
YouTube
  • カメラとパソコンさえあれば一人でできる
  • 参入ハードルは低く、誰でも簡単にはじめられる
  • ただし、クオリティの低いものが多く、誤った見解や極端な意見もあったり、コンプライアンスのチェックもないため、見てもらえるかどうかは別問題

情報性と即時性

テレビ
  • チェック機構が多いのが弱点
  • 信頼性・確実性のある情報を手に入れる必要がある
  • 情報の信憑性は高いが即時性が低い(ただし、報道は最短)
YouTube
  • 自分次第なので、撮影してすぐ出すことができる
  • ただし、2次情報、3次情報を主として制作
  • 即時性はあるが信憑性は低くなる

『収益』

ここでは、意外と知られていないテレビの威力について話された平山氏。YouTubeには簡単に真似できないその力が、テレビの膨大な収益につながっている、といいます。そして、それは「全世代を楽しませるというコンテンツ力・映像制作力を持っているテレビだからこそできること」なのだとか。逆に、 YouTubeには「テレビと違ってストックできるアーカイブビジネスである」という強みがある、と分析されました。

動画制作ニーズの高まり。求められるクオリティ

ここまで話すと、平山氏は「今から話すことはあくまでひとつの意見」としたうえで、「映像業界における超ビッグな二大巨塔」と話すテレビとYouTube の今後について見解を述べられました。

テレビには、老若男女すべてをターゲットにできるポテンシャルがあります。平山氏いわく、「家族で安心して見られるコンテンツのニーズはなくならないし、今後見直されていく。さらに、YouTube業界には全ターゲットを同時に楽しませるスキルを持っている人も、それができるクリエイターもほぼいない」。そのため、人材が流出しなければ、テレビは全員が安心して観られるマスメディアであり続ける、と。また、「今後は地方を中心に動画制作のニーズは爆発的に高まっていくので、テレビマン=優秀なクリエイターの活躍の場は増えていく」と、テレビの今後について分析。
一方のYouTubeは、「専門チャンネルが増えていく」としたうえで、「ジャンルを絞ることでπ(パイ)は狭まるけど、特殊なビジネスチャンスも生まれる。ただ、作りたい人が増えた分、クオリティが問われるように。作りたい人が増えるということは、同じ専門チャンネルを作る人が増えるということ。ジャンルが成熟してきているため、クオリティが低いと追い抜かれるし、それ以前に勝負できない状況になる」と、現状から今後を推測されました。

好きなことで生きていくために必要なのはシンプルなこと

そして、講義のまとめとして最後に話したのが、この日のテーマでもある「好きなことで生きていくためには、どうすればいいのか?」。その答えとして平山氏が伝えたのは、「死ぬほど努力すること」というシンプルな言葉でした。「勝負に勝つことだけが幸せではないが、こうなりたいという場所に行くためには勝たなければいけない。YouTube業界も圧倒的にハードルが高くなってきて、今までのように素人が夢を見るのが難しい状態であることは間違いない。だからこそ、勝ち続けないと夢はないし、そのためには死ぬほど努力することが必要。これはどんな業界でも同じ。まずは自分自身にしっかり力をつけ、勝負してほしい」と、厳しくも的確なアドバイスを送りました。

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