日本酒をアジアへ。3カ月の取り組みを経て明石酒類醸造株式会社へプロモーション提案

日本酒をアジアへ。3カ月の取り組みを経て明石酒類醸造株式会社へプロモーション提案

公開日:2024年2月5日

課題解決

さまざまな社会連携プロジェクトに取り組んでいる人間社会学部観光学科・西村典芳教授のゼミ。今秋からは、明石酒類醸造株式会社の課題解決に挑戦しています。

明石酒類醸造株式会社

「明石鯛」というブランドの清酒をはじめ、ウイスキーやドライジンなどを製造している明石酒類醸造株式会社。その9割は欧米で展開されています。そんな同社からのお声がけにより、今回のプロジェクトがスタートしました。

10月6日(金):明石酒類醸造でフィールドワーク

10月6日(金)には、2年生のゼミ生11名が、昨年オープンしたビジターセンターを訪問しました。まず最初に、米澤仁雄社長から、海外展開するに至った経緯や歴史などについて説明がありました。その後、米澤社長の案内のもと、日本酒を醸している酒蔵とウイスキーやジンを製造している蒸留棟を見学。最後に、ビジターセンターの位置づけ、同社が置かれている現状や課題について、米澤社長よりお話がありました。

ゼミ生たち

醸造見学

ここからゼミ生たちは、「アジアのマーケットに向けたプロモーション」の提案を考えていきます。参加ゼミ生の半分はベトナムからの留学生。それぞれの視点から、活発なグループディスカッションを重ね、12月に中間発表、来年1月に最終報告を行う予定です。

西村ゼミの学生たち

10月15日(日):2回目のフィールドワークは、酒米の稲刈り体験

酒米の稲刈り体験

酒蔵の見学から約10日。10月15日(日)には、2回目となるフィールドワークを行いました。

この日、12名のゼミ生たちが訪れたのは、兵庫県小野市船木地区。黄金色の稲穂が広がるこの場所で、酒米の稲刈りに挑戦しました。この日のために残しておいてくれた田んぼの約半分の稲をすべて刈り取るのが、ゼミ生たちの仕事。農家の方からの実践指導を受けると、次々に鎌を持って手刈りに挑戦。最初は苦戦していたゼミ生たちですが、時間とともに慣れてきたようで、テンポよく稲を刈っていきました。

説明を受ける学生たち

その傍らで、コンバインに乗り込む学生が。農家の方が実際に動かしながら説明した後は、1人で操作しながら丁寧に稲を刈っていきました。その姿に興味津々だったのが、ゼミ生の半数を占めるベトナムの留学生たち。順番待ちをして全員がコンバインの操作を体験。約2時間で脱穀までを終えることができました。

稲を刈る学生

稲刈り指導を受ける学生

コンバインに乗る学生

脱穀を体験する学生

作業は大変でしたが、貴重な体験を楽しんでいたゼミ生たち。座学だけでは感じられないこともあったようで、とても有意義な時間となりました。

今後は、グループワークを通して、海外マーケットでの事業や販売事例について理解を深めながら、2回のフィールドワークでの経験を生かし、具体的なプロモーションの提案を考えていきます。

1月26日(金):最終報告会で、アジア市場開拓に向けたプロモーション案を提案

最終報告会

10月からはじまったこのプロジェクトもいよいよ大詰め。1月26日(金)には、明石酒類醸造株式会社の米澤仁雄社長にお越しいただき、最終報告会を実施しました。

3つのグループに分かれて取り組んできたゼミ生たち。各チームごとの提案では、それぞれ強みと弱み、課題と改善策から、さまざまなデータや分析結果、それらを踏まえたプロモーション案を提案しました。

プロモーション案の提案

そのなかで、どのチームも触れていたのが“SNS”について。情報発信において改善の余地が大きいとして、どういった種類のものを、どういう風に活用し、具体的にどのような内容の投稿をするのか、についても提案していました。

発表する学生①

発表する学生②

3チームの発表を聞いた米澤社長は、どのチームの提案に対しても高く評価。そのうえで、より良い内容にするためのアドバイスをゼミ生たちに伝えました。

アドバイスを聞く学生たち

今回プロジェクトに参加したのは2年生のゼミ生たち。こういった社会共創プロジェクトは初めての経験になります。そのなかで、プロモーション案を提案するだけでなく、データやそこからの分析、事例など、提案の根拠となる資料をしっかり揃えるなど、レベルの高い発表を見せてくれました。

今回のプロジェクトを終えた米澤社長のコメント

米澤社長

「11月ころに学生のみなさんの考えをグループごとにお伺いして、もう少し目指すことをはっきりさせることができれば、もっと良くなったと思いました。とはいえ、刺激や気づきをいただくことができました。ありがとうございました」

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