今年度も、長坂ゼミが空き家をリノベーションしたシェアカフェで飲食店経営

今年度も、長坂ゼミが空き家をリノベーションしたシェアカフェで飲食店経営

公開日:2024年4月8日

シェアカフェで飲食店経営

昨年度、平野商店街(神戸市兵庫区)の空き店舗を利用した飲食店経営にチャレンジした、商学部マーケティング学科・長坂泰之教授のゼミ。

今年度も、継続して【シェアカフェ KIKKAKE PLACE】 での飲食店経営に取り組みます。

11月7日(火) KIKKAKE PLACE訪問

KIKKAKE PLACE

11月7日(火)には、2年生のゼミ生15名がKIKKAKE PLACEを訪問。施設内の見学および出店計画をプレゼンテーションしました。ゼミ生たちはそれぞれ2つ、合計30のプランを考え、メニューや収支計画などの出店計画を作成。この日、1人ずつ自分のプランについてプレゼンし、光山さんからコメントやアドバイスをもらいました。

プレゼンする学生

プランの絞り込み

ここから、ゼミ生たちは3つのプランに絞り込んでいきます。そして来春、3チームに分かれて、実際に飲食店経営を行う予定です。

『商業まちづくり:商業者経営(個)とまちづくり(集積)』を研究テーマに、社会の現場を五感で感じながら意欲的に活動を行っている長坂ゼミ。昨年、空き家の活用事業に携わる卒業生の光山和弥さん(商学部 2018年卒)からの打診を受け、ゼミに所属する2年生・3年生が、光山さんが運営する【シェアカフェ KIKKAKE PLACE】で飲食店経営に初挑戦しました。

1月27日(土) 3つのプランが決定し、提供するメニューを「試作」

試作会の様子

現在、3チームに分かれてカフェ店経営にチャレンジしている長坂ゼミの2年生15名。1月27日(土)には、試作会を行いました。

昨年11月のKIKKAKE PLACEでのプレゼン後、ディスカッションを重ね、3つのプランでの出店が決定。今回、学生たちはクレープ、ワッフル、ベトナム料理の3メニューを提供することに。

クレープチーム

そこでこの日、チームごとにメニューの試作を行いました。具材の乗せ方から最後の仕上げまで、一つひとつの工程を撮影していたクレープチーム。

ワッフルチームは、お皿やワッフルに添える素材を変えながら、盛り付けに試行錯誤。ベトナム料理チームは、バインミー(ベトナムのサンドイッチ)やキムパ(ベトナムの海苔巻き)、ベトナムのスイーツなど5品を試作しました。

ワッフルの生地

試作のワッフル

ベトナム料理

ベトナム料理の試作

どのチームも、試作をしては写真を撮影したり、自分たちで食べて味を確認したり。なかには利益計算が合わずメニューを変更するチームも。また、試作会に訪れた光山さんは、ゼミ生たちに「接客と料理の振り分け」「調理時間」「集客・告知方法」などについて質問。一方、ゼミ生からも「どれくらいの人が来てくれるのか?」「お釣りはどれくらい用意すればよいのか?」など、光山さんにさまざまな質問をしていました。

試食の様子

写真の確認

ここから出店までの間、今回の試作を通して見えた課題をひとつずつクリアしながら、集客・告知を行っていきます。そして、2月11日(日)にクレープチーム、3月23日(土)にベトナム料理チーム、翌24日(日)にワッフルチームが、【KIKKAKE PLACE】でのカフェ経営に臨みます。

2月11日(日・祝) いよいよカフェ運営。1チーム目は「オリジナルクレープ」

オリジナルクレープ販売

1月末の試食会を経て、2月11日(日・祝)に、いよいよ第1弾となるカフェ営業へ。この日は、「クレープチーム」がオリジナルクレープを販売しました。

オープンに向けて、着々と準備を進めるゼミ生たち。1月の試作時に、思ったより生クリームがさっぱりしすぎていたことから、この日は少し甘さをプラスするなど、しっかりと改善。フルーツはバナナといちごを用意しました。ちなみに、いちごはゼミ生の藤原幸樹さんの実家で栽培しているものを使用。素材にこだわったクレープは、800円で販売。Instagramをフォローしてくれた方には、700円での提供としました。

クレープを作る学生たち

藤原農園のいちご

10時のオープン直後のはじめてのお客さまには、クレープを提供するまでに時間がかかってしまいましたが、教員のアドバイスのもと、ゼミ生で相談して短時間で制作できるようすぐに改善。その後は順調に売れ行きを伸ばしていきました。

お客様とのやりとり

クレープを手渡す学生

わたあめを作る子供

また、店頭では玉露飴の詰め放題イベントを実施。これは、阪神・淡路大震災の復興に尽力された、新長田の茶舗味萬の店主・伊藤正和氏からの提案によって実現したもの。通常の2~3倍を詰めて皆さん大満足でした。その傍らではわたあめを100円で販売。実はこのわたあめメーカーは、ゼミ生の大西一輝さんが幼少期に買ってもらった誕生日プレゼントで、長い間使われることなく眠っていたものなのだとか。自分でわたあめが作れるとあって子どもたちに大人気でした。

オリジナルクレープは、プレーンのクレープを500円で販売するなどの方法で対応したり、夕方になり人通りが少なくなってきたら積極的に店頭で声掛けを行うなど、ゼミ生たちはそれぞれ役割分担をしながら臨機応変に対応していました。実際に営業してみてわかることも多々あったようですが、ゼミ生たちにとってはどれも貴重な経験になりました。

ゼミ生記念撮影

この日の「クレープチーム」の経験と反省を生かし、3月23日(土)には「ベトナム料理チーム」が、翌24日(日)には「ワッフルチーム」が、同じ時間・場所で1日営業に臨みます。

3月23日(土) 2チーム目は、留学生たちによる「ベトナム料理」

留学生たちによる「ベトナム料理」

2月に「オリジナループ」でカフェ営業を行った1チーム目に続き、3月23日(土)に2チーム目が「ベトナム料理」を販売しました。

この日のメンバーは、ベトナムからの留学生4名と日本人学生1名の計5名。ベトナム料理だけでなく国際色豊かな料理を提供したい、とベトナム全土で食べられているフランスパンのサンドイッチ「バンミー」や、ベトナムの伝統的な餅料理「バンチョイ」などに加え、韓国料理の「キンパ」など全7品のメニューを提供しました。

料理をする学生たち

この日も店頭では玉露飴の詰め放題を実施。生憎の雨で人通りは少なかったものの、人を見かけると積極的に声をかけていました。少しずつ飴の詰め放題に立ち寄ってくれる人が増えることで店先も賑わいはじめ、一人、また一人と、ベトナム料理のお店を訪れてくれる人も増えていきました。

接客する学生

お客様への対応

なかには、「今日は雨だからお客さんあまり来ないかなと思って」と、近所の方が買いにきてくださったり。この日の唯一の日本人メンバーのご両親が来店してくださったり。お昼が近づくにつれてお客さまが増えていき、気がつくと店内は満席になっていました。

バンミー

近隣の方々

満席

フィールドワーク

ただ料理を提供するだけでなく、積極的にコミュニケーションを取っていたゼミ生たち。自分たちで壁に貼った昔のベトナムの写真について説明したり、提供しているベトナム料理をどういったときに食べるか説明したり。接客を通して、自分たちの母国のことを楽しそうに紹介する姿が印象的でした。

お店になかなか人が訪れないときは、店頭に出て声掛けをしたり、お店にお客さまが増えると店内でコミュニケーションを取ったり。そのときに必要なことを考え、臨機応変に対応していたゼミ生たち。天候に恵まれないなかでの営業は大変なこともあったと思いますが、それも良い経験になったようです。

3月24日(土) カフェ運営のトリを飾るのは「ワッフル」チーム

留学生たちによる「ベトナム料理」

翌24日(日)は、カフェ運営の“トリ”。1チーム目の出店から1カ月半、「ワッフル」チームが満を持して営業に臨みました。

昨日に続き、午前中は雨予報ということで、当初の予定より材料を減らして臨んだゼミ生たち。ところが、午前中は雨が降らず、前日よりも人通りも多いなかでのスタートとなりました。

この日も、お店の前では玉露飴の掴み取りの勧誘に精を出していたゼミ生たち。それだけではなく、一人でも多くの方にお店に立ち寄ってもらえるように、ワッフルの試食も用意。この試食がきっかけで興味を持ってくださる方も多くいました。さらに、お店の前だけではなく、少し離れた場所にも出向きチラシを配るなど、積極的に集客活動に取り組んでいました。

しゃしん

接客する学生

お客様への対応

また、お店では店内利用とテイクアウトでメニューを差別化。店内利用の方には、セットメニューやドリンク飲み放題を、スマホ講座を用意するなど、売上を上げるためのいろいろな工夫をしていました。

午前中はなんとか曇りで留まっていたものの、午後からはとうとう雨に。それにより人通りが少なくなってしまったものの、午前中に声をかけた方が戻ってきて買って帰ってくださったり。雨予報に合わせて減らした材料が、予想以上のお客さまの来店で足りなくなり、急遽、追加で買い出しに行く場面も見られました。

店内

スマホ講座

メニューを取る

ゼミ活動

3チームの営業を終え、一番利益が少なかったのがこの日のチーム。一方で、一番学びを得たのもこのチームでした。当日に至るまでに考え抜いた計画だったからこそ、売り上げに一喜一憂することなく、より具体的な振り返りができた様子。参加したゼミ生5名にとって、今後につながる得難い経験になりました。

3チームが挑んだ今年度の飲食店経営。事前に、どれだけ計画を立てたり計算をしたりしても、実際にやってみることでしかわからないこと、気づけないことがたくさんあります。今回のチャレンジを通して得た達成感や多くの学び、また課題や反省点を生かしながら、今後もゼミ活動に取り組んでいきます。

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