関 陽ゼミが、IT企業の新卒採用強化に向けた“学生目線”の広報提案に挑戦
公開日:2025年2月3日
今年度、経済学部経済情報学科・関 陽准教授のゼミでは、株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターの課題解決に取り組みます。
4月26日(金) キックオフミーティング
4月26日(金)には、同社の担当者が来学し、キックオフミーティングを実施。参加したゼミ生14名は、本プロジェクトの目的やスケジュールなど詳細について説明を受けました。
今回、ゼミ生たちが取り組むのは、同社が抱える採用の課題。『理系・情報系学生をターゲットとした新卒採用の強化』のため、学生目線でのアイデアを盛り込んだオープンカンパニーの立案・広報提案およびIT業界体験を実践します。
今後は、ゼミ内でのグループワークを通して提案内容を考えるとともに、IT業界体験を実践。10月に中間発表を行う予定です。
6月12日(水) インターンシップ 『エンジニア体験』
4月にキックオフした、株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターとの課題解決プロジェクト。6月12日(水)には同社の本社を訪れ、インターンシップを行いました。
今回、ゼミ生たちに提示されている課題は、『ITソリューション部門で、理系・情報系学生をターゲットとした新卒採用の強化』。このメインテーマに5つのサブテーマがあり、ゼミ生たちはグループごとに1つ選び、“学生目線”で企画・提案を考えていきます。
この日は、エンジニアの仕事を体験するインターンシップ。まずは、会社概要や“ITエンジニア”という仕事について具体的な説明を受けました。その後、システムエンジニア(SE)の方々が実際に行っている業務の一部『要件定義』に取り組むことに。これは、顧客の求める要件をシステムで実現するための全体構成を考えることで、『顧客側の要望を引き出し整理していく』工程になります。
同社が用意してくれた課題やお客さまの目的、現状の問題点について説明を受けた学生たち。グループワークを通して、『お客さまの要望を引き出すための質問』を考えたり、その質問に対する答えを受けて『どんなシステムで課題解決を行うか』についてディスカッションを行ったりしました。
そして最後は、本学の卒業生との座談会。業務のこと、モチベーションの保ち方、同社ならではの魅力、入社前に取得しておいた方がいい資格など、それぞれが聞きたかったことを次々に質問していました。
冒頭で行ったアイスブレイクで、「こういった機会はあまりないので、積極的に取り組み、自分の成長につなげたい」と意気込みを語っていた学生たち。その言葉通り、限られた時間を無駄にしないよう、積極的に学びを得ようとする姿勢が素晴らしかったです。
次回は、8月に第2回目のインターンシップを実施。ITエンジニアの具体的な仕事内容について学ぶとともに、実際にパソコンを使っての体験も行う予定です。この日は丸一日の企画で、昼食も同社が用意してくださるとのこと。どんな食事が出るのか、それも学生たちの楽しみのひとつのようです。
8月2日(木) インターンシップ『エンジニア体験②』
6月に行った1回目のインターンシップで業務について学んだゼミ生たち。8月2日(金)には、2回目となるインターンシップに参加し、実際にプログラミングに挑戦しました。
エンジニア体験と題して行われた2回のインターンシップ。2回目となった今回は、実際にパソコンを使っての実践に挑みました。
まず冒頭に行われたのは、 WEBページの構成についての説明。“HTML”と“CSS”についてからはじまり、それぞれの役割と基本的な書き方、 “HTML”と“CSS”の関係、また“CSS”の設定方法の種類などについて、同社の社員の方から詳しく解説していただきました。
続いて、Webページの制作体験へ。同社から提示されたテーマに基づき、先ほど聞いた説明、それぞれに配布された『タグ集(HTMLとCSS)』と『申込ページ作成』用の資料を見合わせながら、ページ作成に臨んだゼミ生たち。初めての挑戦に試行錯誤しながらも、同社の社員5名のサポートを受け、各自ページを作成しました。
その後は、グループワークへ。全員の作成ページから一つを選び、テーマを決めて、イラストや写真を追加したり、色を変えたりしながら、ベストページをひとつ作成。ページが完成したら、各グループごとに『テーマ』『どこを、どう修正したか』『どの作業に苦戦したか』などを説明しながら発表しました。
そして最後は、制作体験をサポートしていただいた若手社員5名との座談会で、長い1日を締めくくりました。
2回に渡るインターンシップを通して、実際の業務をより深く体験することができたゼミ生たち。この経験を生かして、『ITソリューション部門で、理系・情報系学生をターゲットとした新卒採用の強化』のための提案を、“学生目線”で企画。10月初旬に、中間発表を行う予定です。
10月25日(金) 中間発表
2回のインターンシップの経験と学生の視点から、採用の課題解決案について考えてきたゼミ生たち。10月25日(金)に、同社の担当者2名と大学コンソーシアムひょうご神戸の担当者1名を本学に迎え、発表を行いました。
同社が抱える採用の課題である『ITソリューション部門で、理系・情報系学生をターゲットとした新卒採用の強化』。本プロジェクトがキックオフして半年、2回目のインターンシップから約3カ月、ゼミ生たちは試行錯誤を繰り返しながら、“学生目線”での企画の立案に取り組んできました。
そしてこの日、3チームが現段階での企画案を発表。学内でアンケート調査を行ったり、動画を作成したり、会社を分析し魅力となるキーワードを拾い上げたり。
3チームそれぞれの個性が垣間見える中間発表となりました。
同社の担当者からの総評では、各チームの取り組みの良かった点について話された一方、「自分たちはこういう課題にアプローチしようと思っている、ということを最初に提示しておくと、その後のアイデアが理解しやすかった」と厳しい指摘も。また、今回のポイントは『学生目線での提案』。「個人的な意見でも構わないから、なぜそう思ったのか、という部分がもう少し欲しい。結果も知りたいが、その過程の情報がひとつでも多く欲しい」と話されました。
来年の1月に実施予定の最終発表に向けて、各チームともやるべきことが明確になった様子。この日の指摘とアドバイスをしっかりと受け止め、“採用したくなる”企画へとブラッシュアップしていきます。
1月15日(水) 最終発表
今春から取り組んできた株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターとの課題解決プロジェクト。1月15日(水)に本学にて最終発表を行いました。
この日は、同社の担当者3名と大学コンソーシアムひょうご神戸の担当者1名の計4名に向けて発表を行ったゼミ生たち。最初に登壇したチームは、学生に刺さる『広報動画』を作成。続いてのチームは、『広報提案』として同社社員が推す21のキーワードから5つを選ぶとともに自分たちで社員の方のインタビュー動画を作成。最後のチームは、対面とオンラインでの『オープンカンパニーを立案』するなど、3チーム3様の提案となりました。
今回の取り組みの大きなポイントとなっていたのが『学生目線での提案』。昨年10月の中間発表でも指摘されたこの部分を、どのチームもしっかりブラッシュアップ。結果だけでなく、「なぜそう思ったのか」といった“過程”の部分まで掘り下げて提案を考えていました。なかには、されるであろう質問を想定し、その説明を提案に組み込んできたチームも。そのため、発表後の質疑応答では、同社の担当者が「聞こうとしていたことが述べられた」と話すなど、完成度の高い最終発表となりました。
今回のプロジェクトもここで一旦終了となります。最後に、同社の担当者からこの取り組みにおける総評とともに、今回ゼミ生たちが作成した『広報動画』をXに投稿した際の結果についても報告。今後も継続的に投稿していきたい、と話されました。
実際に企業のオープンカンパニーに参加するなど、学生目線で企業の採用活動について考え、取り組んできた約9カ月。ゼミ生たちにとって、より現実的な提案を考える難しさを感じるとともに、それぞれが自身の今後の進路について考える良い機会にもなりました。参加したゼミ生たちは3年生。今回の経験と学びを生かして、間もなくスタートする就職活動に臨んでいきます。