新ゼミがBRANCH神戸学園都市と連携。“商業施設”が抱える課題解決に挑む!
公開日:2025年2月25日
今年度、商学部マーケティング学科・新雅史准教授のゼミでは、複合商業施設【BRANCH神戸学園都市】との連携プロジェクトに取り組みます。
10月8日(土) BRANCH神戸学園都市視察・調査
10月8日(火)には、ゼミに所属する学生14名が BRANCH神戸学園都市を訪問。
視察を行いました。
ゼミ生たちは各々が調査したいテーマに基づき、『客層』や『施設のコンセプト』などについて調査。その後、 BRANCH神戸学園都市テナント会会長・船越秀樹氏との意見交換会に臨みました。
意見交換会では、船越氏からのBRANCH神戸学園都市が抱える課題についてのお話を受け、「テナントはどのように誘致しているのか」「どのエリアを商圏として考えているのか」など、積極的に質問をしていたゼミ生たち。さまざまな質問を通して、今後のテーマ設定の手がかりを探りました。
ここから、ゼミ生たちは今回の訪問で学んだことを元に調査を実施。その結果を含めた課題解決のための提案を、来年1月末に行う予定です。
12月7日(土)・8日(日) クリスマスイベントでのアンケート調査
12月7日(土)・8日(日)の2日間、ゼミ生13名が【BRANCH神戸学園都市】にてアンケート調査を行いました。
地域住民と学生の交流を深め、地域の商業活性化を図ることを目的に行われた今回の取り組み。「子育て家族が10年後も来訪する場としてのBRANCH学園都市」を目指すテーマの実践的研究として、同施設のクリスマスイベントを通して館内グリーティングや来場者アンケート・インタビュー調査などを行いました。
サンタクロースやトナカイに仮装したゼミ生たちは、イベントの開始に合わせ、施設内3カ所に分かれてアンケート調査をスタート。初めての体験に緊張しながらも、行き交う人々に声をかけ、タブレット端末を用いて消費行動や施設に関する簡単なアンケートへの回答をお願いしました。また、親子連れのお客さまの子どもたちには、無条件でお菓子をプレゼント。サンタ姿のゼミ生たちからのプレゼントに、子どもたちも喜んでいました。
調査を進めていくなかで、よりアンケートの収集がしやすい場所を考えて移動していたゼミ生たち。目標のアンケート回収数をより効率的にクリアするために、自発的に考え行動する姿が見られました。
3時間の調査を終えると、1日を振り返り、反省点や感想を発表。ゼミ生たちからは、「声をかけ続けることが大事」「お昼の時間がお客さまが来館するピークなので、調査の開始時間を11時30分にした方が良かった」「最初に『流通科学大学のゼミ生で施設のことについて調査をしています』と名乗った方が良いと思った」などの意見が出ていました。
BRANCH神戸学園都市テナント会会長・船越氏からは、「それぞれの学生がやるべきことを明確に理解していて、明日の調査はよりスムーズに実施できそうだ」と、ゼミ生たちの取り組みを評価。「代が変わっても毎年継続して行いたい」とのお言葉もいただきました。
今後、ゼミ生たちは10月の施設訪問時の調査に加え、今回のアンケート調査結果を分析。来年1月末に、課題解決のための提案を行います。
新准教授のコメント
「学生たちは、ここまで本格的にアンケート調査を行ったのは初めてだと思うが、社会勉強になったはず。アンケートに答えてくれる人もいれば、答えてくれない人もいて、さまざまな人がいることを知ることも調査で学ぶことのひとつ。今日のアンケートが終わって安心していると思うが、データを分析し結果を報告するまでが調査。そのうえで、来年1月の発表会が良いものになれば」
1月29日(木) 成果発表会
昨秋より取り組んできたBRANCH神戸学園都市との連携プロジェクトの成果発表会を、1月29日(木)に実施しました。
会場には、テナント会の会長である船越氏をはじめ、施設支配人や大和リース株式会社の関係者など、地域の商業施設運営に携わる方々が多数参加。学生たちは大勢の前でも堂々と、約4か月間の活動の成果を発表しました。
「子育て世代の家族が10年後も訪れたくなる施設」をテーマに、利用者のニーズを明らかにし、改善策を提案した本プロジェクト。施設の概要やSNSの活用状況、年間イベントの調査に加え、2日間のアンケート調査では200件以上の回答を回収して分析。その結果、若者の来店頻度の低さや情報発信の不足などの課題が浮かび上がりました。
発表では、これらの調査をもとに、カフェ併設の書店の導入や家族向けイベントの充実、SNSを活用した情報発信の強化など、具体的な改善策を提案しました。特にInstagramの活用は、若年層の関心を高めるうえで重要であり、フォロワー獲得のための投稿頻度の向上が求められると指摘。また、イベントの認知度を高めるために、デジタルサイネージやチラシを活用する案も提示しました。
発表後、船越氏は「今回の活動を受けて、来年度以降も引き続き取り組んでいきたい」とコメント。施設関係者からも「普段気づけなかった課題を明確にしてくれた」と高い評価をいただきました。学生が来場者に質問を投げかける場面もあり、発表会は終始活気に満ちた雰囲気でした。
この活動を通じて、調査・分析の手法を学び、実際のデータをもとに考えをまとめ、社会に向けて発信する経験を積んだ学生たち。授業だけでは得られない実践的な学びの場となったことで、地域課題の解決に取り組む楽しさや、社会とつながる意義を実感することができました。今後も、「人々に愛される商業施設づくり」をテーマに、さらに具体的な提案を進めていきます。