33名の学生が、『野外教育活動演習』で六甲山全山縦走コース全56kmを踏破
公開日:2024年12月23日
本学の人間健康学科では、自然環境での野外活動体験を通して、リスクマネジメントや課題解決能力、グループワーク力の体得を目指す『野外教育活動演習』という授業があります。
本授業は、内田遼介准教授・髙橋宏斗講師・与那覇秀勲講師の3名の担当教員のもと、六甲山全山縦走コース全56kmを2日間(1泊2日)で踏破するもの。今期は11月23日(土・祝)・24日(日)に行われ、阪急(JR)宝塚駅から山陽須磨浦公園駅までの56kmを、受講学生33名が踏破しました。
毎年イベントが開催され、多くの登山者が訪れる『六甲全山縦走』。本来のイベントでは、須磨浦公園駅から宝塚駅までを1日で歩くのですが、本演習では1日目の日没後に電波状況の悪い場所を歩くことを避けるためルートを“逆走”する形で行いました。
当日は、一番早い班が7時30分に、遅い班で8時30分に、宝塚駅に集合。8時40分ごろには全班が出発し、56kmの縦走登山がスタート。内田教授は最後尾で学生たちのチェック・サポートを、髙橋講師は車で先回りし、与那覇講師は宝塚駅での集合および鵯越駅での通過確認を行いました。
登山開始から1時間程度で最初のリタイア者が。12時過ぎごろには、足を攣り、激痛で動けなくなる学生も。内田准教授や同じ班の学生たちをはじめ、車で先回りしていた髙橋講師も駆けつけ、マッサージをするなどサポートし続けた結果、1時間以上にわたり身体の不調と闘った学生は少し回復。斜面を這うように歩き出し、車で宿泊予定の施設「神戸市立自然の家」へ向かいました。
髙橋講師が学生とともに施設に到着した14時20分ごろ、先頭の班はすでに到着。リミットとして設定していた16時までには、足を攣った学生のいた班を除くすべての班が、無事施設に到着しました。
この日の夜、『事前に計画していたペース』と『実際に自分たちが歩いたペース』を参考に、2日目の行動計画を再考。各ポイントの通過タイムを設定しました。そして翌朝、学生たちは4時に起床し、5時過ぎに施設を出発。30分後には掬星台に到着し、日本三大夜景に数えられるこの観光名所から、貴重ともいえる“夜明け前”を堪能しました。
その後、各班とも自分たちのペースで山行を続け、鵯越駅を通過してからは住宅街を抜け、『須磨三山』とも呼ばれる、標高200mほどのアップダウンを繰り返す最終関門へ。難所として有名な『馬の背』も通過し、ゴールを目指しました。
そして、先頭班は出発してから約10時間後の15時45分ごろ、もっとも遅い班も17時ごろには須磨浦公園駅に到着。うっすら暗くなりはじめたなか、ヘッドライトをつけた学生たちが降りてくる様子は感動的でした。
56kmの道のりを歩き切った学生たち。本演習における『「六甲山全山縦走」という課題を達成すること』という必須条件を、見事クリアしました。
学生のコメント
北川 温翔さん(人間社会学部人間健康学科2年)
「山登りは人生と少し似ていると感じました。出だしはうまくいき、楽しくやれていましたが、しんどくなってくると、「きつい」「寒い」など自分のことばかり考えてしまって・・。人のサポートに回れなくなっている、と実感しました。そういうときこそ、自分の長所を生かしてチームをどう助けていくか、が人間性の成長につながると思いました。人生でも、しんどいときこそ周りを見渡して、自分に何ができるかを考えて実行することが、大事だと思います。
この授業は、10年後20年後にも記憶に残り続けると思います。確かにしんどいけど、チームで六甲山を制覇したときの達成感は、他の授業では味わうことはできないです。同じ大学生活を送るなら、チャレンジしていろいろな経験を詰んだ方が絶対楽しいと思うので、チャレンジしてみたい人はぜひ履修してみてください!」