地域の風土を学び、廃棄される紙を価値に変える「猪名川ワインプロジェクト」

地域の風土を学び、廃棄される紙を価値に変える「猪名川ワインプロジェクト」

公開日:2026年6月9日

猪名川ワインプロジェクト1

人間社会学部観光学科・西村典芳教授のゼミの学生たちは、今年度も、猪名川ワインプロジェクトに取り組んでいます。

西村ゼミでは、その土地の気候や風土が育んだ食材、習慣、伝統、歴史に触れながら食文化を楽しむ『ガストロノミーツーリズム』をテーマに、地域の観光振興について学んでいます。

同プロジェクトは、猪名川町の地域資源であるぶどうを活用し、ワインづくりを通して地域の魅力発信や観光振興につなげていく取り組みです。学生たちはこれまで、ぶどうの栽培・収穫作業、ワイナリーでのフィールドワーク、地域イベントでの試飲・アンケート調査、ラベル制作など、さまざまな活動に取り組んできました。

昨年度、本プロジェクトは、農林水産省主催「第2回みどり戦略学生チャレンジ近畿大会」において、大学・専門学校の部で優秀チャレンジ賞を受賞。農家・住民・行政と連携しながら、地域資源を生かしたブランドづくりに取り組んできた点が評価されました。

6月7日(日) ぶどうの摘芯作業

猪名川ワインプロジェクト2

この日、学生たちは協力農家のぶどう畑を訪れ、伸びてきた新枝(新梢)を棚に固定する作業と、枝の先端を摘み取る摘芯作業に取り組みました。

新梢を棚に固定する作業は、風による枝の折損を防ぎ、ぶどうが安定して生育する環境を整えるために行うものです。また、摘芯は、枝の成長に使われる栄養を果実へと行き渡らせるための管理作業であり、収穫時の品質にも関わる重要な工程です。

学生たちは、農家の方から作業の目的やぶどうの生育状況について説明を受けた後、枝の伸び方や葉の茂り方を確認しながら作業を進めました。実際にぶどう畑に入ることで、収穫までの過程には、気候や生育状況に応じた判断と、時期を逃さない管理が求められることを知りました。

本プロジェクトでは、ぶどうを地域資源として活用し、ワインづくりや観光振興へとつなげることを目指しています。そのため学生たちにとって、栽培作業は単なる農作業の体験ではなく、地域の産品がどのように育てられ、価値ある資源として形づくられていくのかを現場から捉える機会となっています。

地域の声を聞き、資源循環の可能性を考える

作業後には、昨年度からご協力いただいている農家の皆様へのインタビュー調査を行いました。

学生たちは、ぶどう栽培に取り組むなかで感じている課題や、猪名川町の農業に対する想い、地域との関わりについて聞き取りを実施。生産者の方々の声を通して、地域資源を活用した取り組みを継続していくためには、栽培技術や商品化だけでなく、協力体制づくりや地域内での理解の広がりが重要であることを確認しました。

猪名川ワインプロジェクト3
猪名川ワインプロジェクト4

また、今年度からは、大学で発生したシュレッダー紙を堆肥化し、ぶどう栽培に活用する新たな取り組みも始まっています。この日は、協力農家の畑にシュレッダー紙をすき込み、土づくりへの活用を試みました。堆肥化の過程で生まれるトリコデルマ菌を活用し、ぶどうの糖度向上につなげることを目指しています。

大学内で発生する資源を地域農業に還元するこの取り組みは、資源循環と地域産業の活性化を結びつける試みでもあります。学生たちは、栽培、生産者への聞き取り、土づくりの実践を通して、観光振興を考えるうえで必要となる「地域資源をどう育て、どう価値化していくか」という視点を、現場の課題と結びつけながら学んでいきます。

社会連携

社会連携

社会連携 新着記事

社会連携一覧を見る

資料請求

デジタルブック

ページトップ