2大学合同プロジェクト!前川ゼミがアスカカンパニーのミッションに挑戦

2大学合同プロジェクト!前川ゼミがアスカカンパニーのミッションに挑戦

公開日:2026年9月1日

アスカカンパニーのミッションに挑戦

人間社会学部人間健康学科前川明准教授のゼミでは、「働くための能力を大学生活の中でどのように身につけ、伸ばしていくのか」を実践と経験を通して探求しています。2026年度はその学びをさらに深めるため、プラスチック製品の開発・生産を手掛けるアスカカンパニー株式会社(兵庫県加東市)との共創プログラムに取り組みます。

今年度は、プラスチックのポイ捨て防止に結びつくアイデアづくりに取り組みます。心理・行動・環境の視点を踏まえ、実際の行動変容につながる仕組みや施策を考案していきます。
また今回は、武庫川女子大学経営学部経営学科・井口徹郎教授のゼミとの合同プロジェクトとして始動し、異なる専門性を持つ学生が協働しながら、多角的に考える力を養っていきます。

3月6日(金) キックオフミーティング

キックオフミーティング1

3月6日(金)、2大学の学生たちはアスカカンパニー本社を訪問し、プロジェクトのキックオフミーティングを行いました。まずは同社について理解を深めるため、紹介動画を視聴し、プラスチック容器の開発や環境配慮型素材の研究、AI・DXを活用した品質管理など、多岐にわたる取り組みについて説明を受けました。

キックオフミーティング2
キックオフミーティング3

次に、工場見学を行いました。夜間も無人で稼働する清潔な製造ラインや精密な工程を見せていただき、医療や食品分野で扱われる製品がどのように作られているのかを知ることができました。その後は、デザート容器や乳児向けスプーン、医薬品パッケージなど実際の製品を前に説明を受け、身近なアイテムにも高度な技術が込められていることを理解しました。

製品づくりや生産工程について理解を深めたあと、会社の方から「プラスチックにはどのようなイメージがありますか?」と投げかけがあり、学生同士で意見交換を行いました。「生活に欠かせない」「環境への影響が気になる」などさまざまな声が挙がり、素材の特性や環境課題について改めて考える時間となりました。

こうした企業の実践を知ることで、学生たちは「プラスチックのポイ捨て防止」という今回の課題を、ものづくりの視点からも考えるきっかけを得ることができました。

最後に、学生たちは2大学混合のチームでグループワークに取り組みました。ポイ捨てが起こる要因について意見を出し合い、今後どのような力を身につけていきたいかを共有。学生同士が交流を深めながら、ミッションに向けた最初の一歩を踏み出しました。

キックオフミーティング4

本プロジェクトは今後、5月末〜6月初旬の中間発表を経て、8月の最終プレゼンへと進んでいきます。

6月6日(土) 中間発表

中間発表1

6月6日(土)、武庫川女子大学経営学部経営学科・井口徹郎教授のゼミ生とともに、アスカカンパニー株式会社との共創プログラムにおける中間発表を行いました。

調査をもとに、課題の背景を整理

中間発表では、各グループがこれまでの調査結果をもとに、ポイ捨てが起こる要因を整理し、解決に向けた提案を行いました。

本学の学生は、三宮周辺を対象に、駅周辺や飲食店が集まるエリアなどを実際に観察。ゴミ箱の少なさや分かりにくさ、夜間の人の流れ、すでにゴミが落ちている場所にさらに捨てられやすくなる状況などに着目しました。単に「ゴミを捨てないように呼びかける」のではなく、なぜポイ捨てが起こるのか、どうすれば自然にゴミ箱へ向かう行動につながるのかを考えました。

具体的には、ゴミ箱の場所を分かりやすく示すマップ機能に、ゴミを捨てる行動への動機づけを加える提案や、三宮・サンセット通り周辺で見られるポイ捨ての状況を、ゴミの種類や場所ごとに記録し、店舗や地域の対策につなげる提案がありました。また、ペットボトル回収機と専用アプリを連動させ、回収量に応じてキャラクターが育成される仕組みや、飲食店が集まるエリアにプラスチック専用回収ボックスを設置し、利用者に近隣店舗で使えるクーポンを発行する仕組みなど、ポイ捨てを防ぐだけでなく、人の行動を自然に変えていくためのアイデアが示されました。

中間発表2
中間発表3

「実現できる提案」に近づけるために

発表後には、アスカカンパニー株式会社の方や先生から、それぞれの提案に対して講評が行われました。学生たちは、ターゲットの設定、利用者にとってのメリット、安全性、運用にかかる費用、協力してもらう企業や行政にとっての利点などについて助言を受け、提案を実現に近づけるための視点を整理しました。

また、発表を聞く学生もワークシートを活用し、参考になった点や質問、改善につながる意見を記入。発表を評価するのではなく、最終発表をより良いものにするために、互いの提案に対して建設的に意見を交わしました。

グループを越えた意見交換

すべての発表後には、大学やグループを越えて学生同士が意見交換を行いました。
発表を終えた学生たちは、自分たちの提案について他の学生から質問や助言を受けるとともに、他グループの考え方や調査の進め方にも触れました。異なる視点から意見をもらうことで、自分たちだけでは気づきにくかった課題や、提案を深めるためのヒントを得る機会となりました。

今回の中間発表は、これまでの取り組みを共有するとともに、提案内容を見直し、磨き上げていくための重要なステップとなりました。学生たちは今後、今回得た意見や助言をもとに、提案の具体性や実現可能性をさらに高め、最終発表に向けて取り組みを進めていきます。

8月6日(木) 最終発表

最終発表1

今年3月、「プラスチックのポイ捨て防止」をテーマに、武庫川女子大学・井口ゼミと合同でのキックオフした今回の取り組み。異なる専門性を持つ学生が協働しながら、心理・行動・環境の視点から課題解決策を考えてきました。

6月の中間発表で、アスカカンパニー株式会社の担当者や教員から受けた「提案を実際に社会で実現する」ためのアドバイスを踏まえ、改めて提案を見直し、内容をブラッシュアップしてきた学生たち。アイデアの面白さだけではなく、「誰に、どのように使ってもらうのか」「実現するためには何が必要なのか」を考え、最終発表に臨みました。

中間発表で得た「実現するための視点」を、最終提案へ

最終発表では、学生たちがそれぞれ考案したプラスチックのポイ捨て防止策を発表。
提案の内容だけでなく、課題の背景をどのように調査したのか、なぜその方法が有効だと考えたのかなど、根拠を示しながらプレゼンテーションを行いました。

審査では、「スライドの見やすさ」「調査力」「ロジカルさ」「妥当性」「独自性」の5つの観点から評価。単に斬新なアイデアであるかだけではなく、調査に基づいて論理的に考えられているか、企業や社会の現状を踏まえて実現可能な提案になっているか、といった点も重視されました。

最終発表2
最終発表3

発表後には、企業担当者から「自分たちだけではなかなか出てこないような素晴らしいアイデアがたくさんあった」と評価の声が寄せられました。また、環境への取り組みに加え、人事や広報にも活用できるアイデアが多く、企業にとっても参考になる提案だったとコメントをいただきました。

「調査力」が1点差を生んだ。企業から評価された学生の提案

審査の結果、各大学の1位と総合1位が発表され、今年度は本学のチームが最優秀賞を受賞しました。

受賞チームが提案したのは、ペットボトル回収機と専用アプリを連動させ、楽しみながらリサイクルを習慣化する「ペトモン」。イベント会場などに設置した回収機にペットボトルを投入すると、回収データがアプリと連動し、獲得した経験値によってキャラクター「ペトモン」が成長する仕組みです。ゲーム感覚で楽しめる仕掛けを取り入れることで、環境活動への参加を一時的なものにせず、継続的な行動につなげるアイデアを考えました。

順位の決定について、「両大学1位の得点はほぼ同点だった」と企業担当者。そのうえで、「『調査力』でわずかに1点上回った」ことが、本学チームの受賞の決め手となりました。特に、既存資料だけに頼らず、現場に足を運んで調査を重ねたことが、提案の具体性につながったと評価。受賞した学生は、「提案内容の具体性や発表の構成など、メンバーみんなが主体的に頑張った結果」と振り返り、発表当日も早くからチームで集まり準備を重ねたことを明かしました。

学生の今、社会のリアルな課題に向き合う意義とは

そして最後に、担当教員の前川准教授と井口教授が、今回の取り組みを総括。「社会のリアルな課題を自ら調査し、主体的に探究する経験が学生の視野を広げる」「まだ学生である今、社会を見つめて自由な発想でアイデアを提案することにこそ、真の価値がある」と、話しました。

今回のプロジェクトを通して、社会課題に対してアイデアを出すだけでなく、調査し、仲間と議論し、企業からの意見を受け止め、実現可能性まで考えて提案するというプロセスを経験した学生たち。

正解のない社会課題に向き合い、自分たちの視点で考えた提案を社会に届ける。

その経験は、教室で知識を学ぶだけでは得られない、実践的な学びとなりました。

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