“QBBチーズ”の課題解決に挑んだ『I-1グランプリ』。日本人学生と留学生の混合チームが準優勝!
公開日:2025年1月17日
10月5日(土)、【第8回神戸学生イノベーターズ・グランプリ(通称:I-1グランプリ)】がスタートしました。
I-1グランプリとは、本学が2009年から行っている『課題解決プログラム』。社会に新しい価値をもたらす変革(イノベーション)を興す知恵を備えた人材育成を目的として、企業が直面している課題を学生らしい視点やマーケティング手法を活用して、解決・提案する企画です。2017年度より名称を新たに【I-1グランプリ】として実施しています。
10月5日(土):開会式
10月5日(土)には、開会式を実施しました。本学を含む近隣の大学・高校から22チーム約100名が参加する今年度。開会式には、チームの代表者や指導教員が出席しました。
これまで、株式会社伍魚福、大正製薬株式会社、トーラク株式会社、ワッフル・ケーキの店R.L(エール・エル)、株式会社商船三井さんふらわあ、六甲山観光株式会社、アシックス商事株式会社と、それぞれの企業が抱える課題解決に取り組んできました。
今年度も、地元企業である六甲バター株式会社のご協力を得て、「ベビーチーズをもっと若年層が手にとり(認知)、買って(購買)、食べ続けてもらう(習慣化)ためのアイデア」をメインテーマに、QBBチーズが抱える課題解決に取り組みます。
開会式では、八木雅史副学長からの挨拶の後、六甲バター株式会社 代表取締役会長・三宅宏和氏(本学評議員)が、今回のプロジェクトへの思いとともに参加学生たちへ激励のメッセージを送りました。
続いて、同社のマーケティング本部長より、会社概要およびテーマ解題の詳細について説明。最後に、事務局から今後のスケジュールやプレゼンテーションの注意事項、審査基準などについて説明を行いました。
参加チームはここから、情報収集・調査を行い、約3週間後のフィールドワークで同社の神戸工場を視察。実際に自分たちの目で見たり感じたりしたことを生かし、提案を考え、11月の中間プレゼンテーションに臨みます。
今年度も、学生だからこその斬新な視点と日ごろの学びを生かし、“イノベーション”をおこしてくれることを期待します。
10月23日(水):フィールドワーク
開会式から約2週間経った10月23日(土)、六甲バター株式会社の工場でフィールドワークを行いました。
この日、学生たちが訪れたのは、本学の近隣にある神戸工場。2019年に完成した六甲バターで一番新しい工場で、家庭用・業務用など約300品目の製品を製造しています。学生たちはまず、コミュニケーションルームにて、同社の歴史や神戸工場全体の設備などに関する動画を視聴しました。
その後、工場見学通路からプロセスチーズができるまでの過程を見学しました。普段見ることができないチーズ作りの工程を、興味深そうに見入っていた学生たち。再び、コミュニケーションルームに戻ると、同社のご厚意で、できたてのベビーチーズやチーズデザートなどの製品を試食させていただきました。
最後は質疑応答。学生たちは、「鉄分のチーズはなぜ他のチーズより塩味が強く感じられるのか」「ターゲット層はどこか」など、積極的に質問をしていました。そのなかで、同社の方々は、“ベストセラー商品”を生み出す難しさ、製品やパッケージデザインに込めた思い、などについて語られていました。
参加した学生たちは、この日のフィールドワークを通して、チーズ作りの工程を学ぶとともに、同社の『生産者や消費者への思い』を感じることができた様子。この日学んだこと・感じたことを生かし、ここから具体的な提案を考え、11月27日(水)の中間プレゼンテーション会に臨みます。
11月27日(水):中間プレゼンテーション会
フィールドワークから1カ月。11月27日(水)に、本学にて中間プレゼンテーション会を実施し、全22チームが発表を行いました。
『ベビーチーズをもっと若年層が手にとり(認知)、買って(購買)、食べ続けてもらう(習慣化)ためのアイデア』をメインテーマに取り組んでいる参加学生たち。フィールドワークを通して、チーズ作りの工程を学び、同社の生産者や消費者への思いを体感。それらを踏まえ、各チームで『新商品提案』『販売戦略』『広告・プロモーション戦略』『健康・栄養の訴求方法』といった4つのサブテーマを設定し、アイデアを考えてきました。
この日は、六甲バター株式会社の担当者に加え、本学の社会連携推進委員を務める3名の教員が審査員を務めました。
フィールドワークから1カ月。限られた時間のなかで、各グループとも、現状分析、データ収集、コンセプト、ターゲット層などをまとめ、メインテーマにある“若年層”ならではの個性あふれる提案を発表しました。なかには、「詳細については、12月の最終プレゼン会を楽しみにしていてください」と、審査員の好奇心をくすぐるグループも。
各チームの発表後の講評では、若者ならではの視点での発想を評価する一方、根拠となるデータや提案内容、現実的な需要や実現性といった点について厳しいフィードバックも。そのうえで、現状の問題点を解消していくためのアドバイスをいただきました。
今回の中間プレゼンを経て、より実現性の高い提案のために必要な視点に気づけた様子。審査員からのアドバイスのおかげで、最終プレゼンに向けて改善すべきポイントも明確になったようです。
最終プレゼンテーション会は、12月21日(土)。この日いただいたすべての意見とアドバイスを踏まえ、ここから1カ月間、提案内容をより具体的に落とし込んでいきます。
12月21日(土) 最終プレゼンテーション会
12月21日(土)に開催された【第8回 神戸学生イノベーターズ・グランプリ(通称:I-1グランプリ)】の最終プレゼンテーション会。今年度は計22チームが参加しました。
本学学生をはじめ、兵庫県立大学と明石商業高校の学生・生徒たちが、「ベビーチーズをもっと若年層が手にとり(認知)、買って(購買)、食べ続けてもらう(習慣化)のためのアイデア」をメインテーマに取り組んだ3カ月。
メインテーマのもと、新たな商品、認知拡大に向けた販売戦略やプロモーション戦略、料理への活用など、4つのサブテーマからそれぞれが選び考えた提案に対し、11月の中間プレゼンテーション会では厳しいフィードバックも。しかし、各チームとも最終プレゼンテーション会までの限られた時間で、それらをしっかりと修正・ブラッシュアップし、より実現性の高い渾身の提案を発表しました。
この日の審査員は、六甲バター株式会社代表取締役会長・三宅宏和氏、マーケティング本部本部長・黒田浄治氏と、本学社会連携推進委員長・田中康仁教授、同委員・岡田恵実講師の計4名。どのチームも落ち着いた様子で堂々とプレゼンテーションを行い、質疑応答でも冷静に対応する姿が印象的でした。
全22チームの発表とあって、かなりの長丁場となった今回。明るい時間にスタートした最終プレゼンテーション会も、最後のチームが発表を終えるころには真っ暗に。そのため、審査も難航しましたが、『発想』『企画』『表現』の3つのポイントをもとに審査が行われた結果、優勝は兵庫県立大学の『say cheese!!!』チーム。惜しくも優勝は逃したものの、商学部マーケティング学科・後藤こず恵准教授ご指導の『I♡チーズ』チームが準優勝となりました。
今年度からは懇親会が復活。表彰式も、懇親会会場であるRYUKA DININGにて行われ、優勝チームに賞状とトロフィー、賞金と副賞が、準優勝チームには賞状と賞金、副賞が、その他の受賞チームには賞状と副賞が、それぞれ六甲バター株式会社代表取締役会長の三宅氏より授与されました。
表彰後には、三宅氏とマーケティング本部本部長の黒田氏が、全22チームの提案を「素晴らしかった」と講評。学生・生徒たちの3カ月間の取り組みを労うとともに、感謝の言葉を述べられました。また、同社のご厚意により、参加者全員にクリスマスプレゼントを贈呈。予想外の贈りものに、みな大喜びでした。
入賞の喜びをかみしめるチームもあれば、入賞できず悔しい思いをしたチームもあり、結果も思いもさまざま。しかし、仲間とともに試行錯誤を繰り返しながら、懸命に取り組んできた3カ月間は、参加した全員にとってかけがえのない大きな財産になったと同時に、今後につながる貴重な経験になりました。
最終審査結果
- 優勝
say cheese!!!(指導教員:兵庫県立大学・濵田 洋)
『Buy to cheese』
- 準優勝
I♡チーズ(指導教員:流通科学大学・後藤こず恵)
『チーズ DE 栄養チャージ』
- 第3位
兵庫県立大学キャリアサークル2(指導教員:兵庫県立大学・濵田 洋)
『Cheese up! チーズが君の応援団長』
- 特別賞
チームミルキー(指導教員:流通科学大学・清水信年)
『ロシアンチーズ』
明石商業高校 1班(指導教員:兵庫県立明石商業高等学校・織部真也/流通科学大学・薮野祥太)
『チーズ診断』
ハーモニックマイナースケール(指導教員:流通科学大学・村上友章)
『Z世代にQBBチーズを届けよう』
2024年度テーマ概要
【メインテーマ】
ベビーチーズをもっと若年層が手にとり(認知)、買って(購買)、食べ続けてもらう(習慣化)ためのアイデア
【サブテーマ】
Who(誰?)×What(ベビーチーズ)×How(手段??)
- 『QBBチーズのヒット商品を提案しよう』
⇒新商品の提案、既存商品の改良・進化、スイーツ、パッケージデザイン、キャッチコピー、ターゲット層等 - 『QBBチーズの認知拡大・売上拡大に向けた販売チャネルを提案しよう』
⇒ターゲットの明確化、ターゲットに合わせた販売戦略、販路開拓、EC販売等 - 『QBBチーズの認知拡大・売上拡大に向けたコミュニケーションチャネルを提案しよう』
⇒広告・プロモーション戦略、データ分析、デジタルコミュニケーション等 - 『QBBチーズを食べ続けてもらうためのアイデアを提案しよう』
⇒健康・栄養の訴求方法、家庭料理への活用、糖質制限・ヴィーガンなどの多様性に配慮した食生活の提案等
スケジュール
10月5日(土) 開会式
六甲バター株式会社ご担当者さまより
「テーマ解題説明」および会社紹介
10月23日(水) フィールドワーク
11月27日(水) 中間プレゼンテーション会
12月21日(土) 最終プレゼンテーション会
最終プレゼンテーション会終了後、表彰式および懇親会
六甲バター株式会社 → https://www.qbb.co.jp/